老人ホーム見学の予約と質問リスト|何件回るかの目安と本人を連れて行く判断

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「介護がつらい…」「近くにどんな施設があるの?」
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シニアのあんしん相談室


※1999年創業の会社が運営する「シニアのあんしん相談室」よりサービス提供を受けております。

 

資料請求で候補が数件そろい、次は見学だと分かったところで手が止まる人がいます。予約の電話で何を言えばいいのかが、どこにも書かれていないからです。

見学の価値は、当日よりも予約の電話で決まります。何を先に送ってもらうか、どの時間帯に行くか、誰に案内してもらうかを、こちらから決められるからです。

予約の電話で伝える4つ、書面に無い質問の4系統、何件回るかの目安、本人を連れて行く判断まで、国の指針と書式で確かめながら順に並べます。

老人ホーム見学の予約の方法

老人ホームの見学は無料で受け付ける施設がほとんどで、電話かサイトのフォームで予約します。所要時間は1件90分前後が目安です。

フォームで日時だけを送るより、電話で予約するほうが得です。「誰が案内するか」「何を先に送ってもらうか」「どの時間帯に行くか」をこちらで決められます。見学の評価は、予約の電話から始まっています。

  • 電話で伝える4つ
  • 重要事項説明書と料金表を先にもらう
  • 時間帯は昼食か夕方を指定する
  • 案内する人の職種を聞く

電話で伝える4つは本人の状態と希望時期と同席者と見たい場面

予約の電話で最初に伝えるのは、本人の状態です。要介護度、医療処置(インスリン・胃ろう・吸引など)の有無、認知症の症状の有無を短く伝えます。

先に伝えると、受け入れが難しい状態なら電話の段階で分かり、無駄足を防げます。受け入れられる状態なら、空いている部屋と料金の具体の話に進めます。

次に、希望時期、同席者(誰が何人で行くか)、見たい場面(食事・入浴・レクリエーション)を伝えます。見たい場面を言えば、施設はその時間に合わせて案内を組みます。

電話の言い方の例

「母は要介護3で、インスリンの注射があります。認知症の症状は今のところ出ていない状態です。来月中には入居先を決めたいので、私と妹の2人で、昼食の様子が見える時間に見学をお願いできますか」

重要事項説明書と料金表は見学の前に送ってもらう

電話で頼むのは、重要事項説明書と料金表の2つです。「郵送かPDFで、見学の前に送ってほしい」と言います。

重要事項説明書について、厚生労働省の有料老人ホーム設置運営標準指導指針は「老人福祉法第29条第7項の規定により、入居相談があったときに交付するほか、求めに応じ交付すること」と定めています。見学の前に送るのは、施設にとって普通の対応です。

届いたら当日までに目を通します。職員の人数、夜勤の人数、退去した人の数と行き先、料金の内訳が書いてあるので、当日は書面に無いことだけを聞けます。

「見学のときにお渡しします」と言われたら、「先に読んで質問を絞りたいので」ともう一度お願いします。それでも渋る対応そのものが、判断の材料になります。欄の読み方は重要事項説明書で見学の前に比べる三か所で書いています。

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について

出典: e-Gov法令検索 老人福祉法

見学の時間帯は昼食か夕方をこちらから指定する

施設が案内する見学の枠は、平日の14時前後が多いです。職員が落ち着き、入居者が居室で休んでいる、施設の良い面が見えやすい時間です。

入った後の暮らしを見たいなら、こちらから時間帯を指定します。11時30分から13時の昼食の時間なら、食事の介助や声のかけ方が見えます。16時から17時30分の夕方なら、夜勤への引き継ぎで人が減った状態の施設が見えます。

「食事の時間に見学したい」と言えば、多くの施設は受けてくれます。断られたら理由を聞きます。理由の説明が曖昧な施設は、候補の下に回します。

案内する人の職種を聞き介護職員と話す時間を頼む

電話の最後に「当日はどの方が案内していただけますか」と聞きます。案内するのは、入居相談員、施設長、生活相談員、介護リーダーのどれかです。

入居相談員は契約を進める営業の職種で、料金や空室には詳しい一方、夜間の介護の質問には答えられないことがあります。施設長や介護リーダーは現場の職員で、介護や医療の質問に具体で答えられます。

「当日、介護職員の方にも10分ほどお話を聞かせてもらえますか」と頼んでおきます。断られた場合は、その理由が判断の材料になります。

土日は相談員しか出ていない施設があるので、本命の施設は平日に見学します。

老人ホーム見学の当日の流れ

見学当日は、受付から退出まで90分前後です。時間の配分の目安を表にします。

順番場面目安見る・する
1受付・挨拶5分案内者の職種を確認
2説明15分書面は読んだので要点だけ
3館内の案内30分食堂・浴室・トイレ・廊下
4居室10分実際に空いている部屋
5質疑30分質問表の順に聞く

配分は目安です。大事なのは、説明を短くして館内と質疑に時間を寄せることです。

到着から退出までの90分は説明を短くして館内と質疑に寄せる

施設が用意する見学は、応接室での説明が30分以上になることがよくあります。パンフレットの読み上げで、時間の半分が消えます。

説明が始まったら「重要事項説明書と料金表は読んできたので、要点だけお願いします」と伝えます。準備してきた家族として受け止められ、案内者も話を絞ってくれます。

浮いた時間は館内と質疑に回します。館内は30分あれば食堂・浴室・トイレ・居室・廊下を歩け、質疑は30分あれば書面に無い質問を4系統で聞けます。

「今日は90分でお願いします」と最初に伝えると、案内者も配分を組んでくれます。

館内で見るのは食堂と浴室とトイレと実際に空いている居室

館内で見る場所は4つです。

  • 食堂: 配膳と食事介助の様子
  • 浴室: 介助浴(座って入る・寝たまま入る)の設備
  • トイレと廊下: 匂い
  • 居室: 入居候補になる実際の空室

食堂では、職員の声のかけ方と、食べ終わるまで待てているかを見ます。トイレと廊下の匂いには、掃除の頻度と排泄介助の丁寧さが出ます。

案内はモデルルーム(家具付きの見本の部屋)へ進むことが多いので、「実際に空いている部屋を見せていただけますか」と頼みます。日当たり、廊下からの距離、トイレの位置は部屋で全部違います。

歩きながら、入居者の身なり(髭・爪・髪・服)も見ます。整っている施設は、日常の介助が回っています。

質問は最後にまとめて聞き帰り道に同じ表へ記録する

質問は、歩きながら思いついた順に聞くと答えが散らばります。質問表を作っておき、最後の質疑の時間に表の順で聞きます。

まとめて聞くと、案内者が担当外の質問を「確認して後日お伝えします」と持ち帰ってくれます。後日の連絡の速さも、施設の判断材料です。

記録は帰り道に書きます。車の中か駅のベンチで、質問表の答えと、見た場面と、匂いや身なりの印象を書きます。翌日に書くと、2件目と混ざります。

写真は、入居者が写らない場所に限り、許可を取って撮ります。

老人ホーム見学の質問リスト

質問は「書面で分かること」と「書面に無いこと」に分けます。書面で分かる質問は見学で聞かず、書面に無い質問に時間を使います。

書面で分かる(聞かない)書面に無い(聞く)
夜勤を行う看護・介護職員の人数(最少時人数)対応できる医療処置の具体名
業務に従事した経験年数に応じた職員の人数入院したときの居室の保持と費用の運用
前年度1年間の採用者数・退職者数離職の理由
入居者の要介護度別・入居期間別の人数要介護度が上がったときの実費
前年度における退去者の状況(退去先別の人数)退去を求める条件の運用
協力医療機関・利用料金看取りの実績数

左の列は重要事項説明書に欄があります。右の列は口頭で聞く形になります。

書面で分かる質問は聞かずに重要事項説明書で読む

有料老人ホームの重要事項説明書は、厚生労働省が様式で欄を定めています。職員体制、入居者の状況、前年度における退去者の状況、利用料金、協力医療機関、契約解除の内容の欄があります。夜勤の人数は「夜勤を行う看護・介護職員の人数」の欄に、平均人数と最少時人数が書かれます。

これらを見学で口頭で聞くと、質疑の30分がほとんど消えます。書面で分かることは書面で確かめます。

書面はもう1つあります。介護保険のサービス事業者は、介護保険法第115条の35により運営状況を都道府県知事へ報告し、介護サービス情報公表システムで公表されます。有料老人ホームの情報も、設置者の報告を都道府県が公表します(老人福祉法第29条第11項・第12項)。

出典: 厚生労働省 有料老人ホーム 重要事項説明書(別紙様式)

出典: e-Gov法令検索 介護保険法

医療の質問は処置の具体名と入院中の居室と費用で聞く

「医療対応は可能ですか」と聞くと、「協力医療機関と連携しています」という答えだけが返ってきます。処置の具体名で聞きます。

「インスリンの注射をしている入居者は今いますか」「胃ろうの方は」と、本人に関係する処置の名前で聞きます。今いる、または過去にいたなら、受け入れの実績があります。夜間の看護師の有無と往診の頻度も聞きます。

入院したときの扱いも聞きます。重要事項説明書の「入院等による不在時における利用料金(月払い)の取扱い」の欄には、減額の有無と日割りが書かれます。書面の外にあるのは「何か月の入院で退去になるか」の運用なので、「3か月入院したら部屋はどうなりますか」と期間を入れて聞きます。

そのまま使える質問文(医療)

「母はインスリンの注射が1日2回あります。同じ処置をしている入居者の方は今いますか。夜間に看護師さんはいますか。もし3か月入院したら、部屋と費用はどうなりますか」

出典: 厚生労働省 有料老人ホーム 重要事項説明書(別紙様式)

職員の質問は夜間の最少人数の運用と勤続と離職の理由で聞く

夜勤の人数は書面で分かるので、見学では「その人数でどう動くか」を聞きます。「夜勤2人のとき、転倒と発熱が同時に起きたら誰がどう動きますか」と場面で聞くと、答えの具体さで現場の力が分かります。

勤続も聞きます。「案内してくださっている方以外で、いちばん長く勤めている介護職員は何年目ですか」。長く勤める人がいる施設は、介助の型が安定しています。

重要事項説明書の「前年度1年間の退職者数」が多ければ、理由を聞きます。結婚・進学・転職と具体で答えられる施設と、「いろいろです」で終わる施設に分かれます。

介護付きの施設の職員体制の数字の読み方は、見学前に読む職員体制の数字と当日に聞く四つのことで書いています。

出典: 厚生労働省 有料老人ホーム 重要事項説明書(別紙様式)

費用の質問は月額の外の実費と要介護度が上がったときの増額で聞く

料金表の月額に入っているのは、家賃・管理費・食費です。おむつ・日用品・理美容・通院の同行などの実費は、施設によって月額の外にかかります。「月額の外で毎月かかる費用を全部教えていただけますか」と聞き、項目と目安の額を書き取ります。

要介護度が上がったときの増額も聞きます。介護付き有料老人ホームの介護費(特定施設入居者生活介護)は、1日あたりの単位数が要介護度ごとに決まっていて、令和6年度は要介護1が542単位、要介護3が679単位、要介護5が813単位です。「要介護3から5になったら、月額はいくら増えますか」と、今の要介護度に2段階足して聞きます。

料金改定も聞きます。重要事項説明書の「利用料金の改定」の欄には条件と手続きが書かれますが、直近の改定がいつでいくら上がったかは口頭で確かめます。

そのまま使える質問文(費用)

「月額の外で毎月かかる費用を、項目と目安の額で全部教えていただけますか。要介護3から5になったら月額はいくら増えますか。直近の料金改定はいつで、いくら上がりましたか」

出典: 厚生労働省 介護報酬の算定構造(令和6年度介護報酬改定)

出典: 厚生労働省 有料老人ホーム 重要事項説明書(別紙様式)

退去と看取りの質問は直近1年の退去理由と実績で聞く

重要事項説明書の「前年度における退去者の状況」の欄には、退去先別の人数(自宅等・社会福祉施設・医療機関・死亡・その他)と、生前解約の人数と事由の例が書かれます。見学では「直近1年で退去された方は、亡くなった方、入院、他の施設、費用で、それぞれ何人ですか」と聞き、書面の数と突き合わせます。

看取りの実績も聞きます。「居室で最期まで過ごされた方は、昨年度何人いましたか」。看取りを掲げる施設でも、実績が0人なら体制は未確認のままです。

退去を求める条件は、重要事項説明書の「契約解除の内容」に書かれますが、契約書の条番号だけのことも多いです。「実際に施設側から退去をお願いした例はどんな場合でしたか」と運用を聞くと、本人の状態が変わったときの見通しが立ちます。

出典: 厚生労働省 有料老人ホーム 重要事項説明書(別紙様式)

口頭の答えは重要事項説明書の欄と突き合わせる

見学で聞いた答えは、重要事項説明書の欄の隣に書いて突き合わせます。

口頭で「夜間は3人で見ています」と言われたのに、書面の最少時人数が2人なら、食い違いがあります。「書面では2人と書いてありますが」と聞き直し、理由を説明できれば問題はゼロです。説明が曖昧なら、他の答えも同じ精度で見ます。

答え方も記録します。全部の質問に即答で良い答えが返ってくる施設は、営業の型で答えている可能性があります。「確認して後日ご連絡します」が返る施設のほうが、答えの精度が高いことがあります。

誰が答えたかも書き、相談員と介護職員の答えが違ったときは現場の答えを優先します。

出典: 厚生労働省 有料老人ホーム 重要事項説明書(別紙様式)

老人ホーム見学は何件回るべきかの目安と疲れない回り方

何件回るかの目安は3件前後です。件数を増やすより、1件の見学の質を上げて、疲れずに回る段取りを作ります。

  • 目安は3件で書類で落としてから行く
  • 1日2件までで時間帯を分ける
  • 同じ表で記録する
  • 同行とオンライン見学は候補を落とす道具にする

目安は3件で書類で落としてから行く

見学の件数の目安は3件前後です。候補が5件、6件と出てきても、見学は3件前後で足ります。

先に書類で落とします。重要事項説明書の3か所(退去先・職員体制・前払金)、料金表の総額、自宅からの距離の3つで、条件から外れる施設を落とし、残った3件前後を見学します。

3件を見た後は、本命の1件だけを時間帯を変えて2回目に行きます。

件数を3件にする理由は、見学するたびに条件が増えて決められなくなるためです。詳しくは探しに疲れて決まらないときの条件3つと見学3件で書いています。

1日2件までにして午前と昼食と夕方で時間帯を分ける

1日に3件回ると、3件目の記憶が1件目と混ざります。1日は2件までにします。

同じ日の2件は、時間帯を分けます。午前は体操・入浴・リハビリ、昼食は配膳と食事介助、夕方は夜勤への引き継ぎが見えます。1件目を10時、2件目を16時に入れると、違う場面が1日で見えます。

移動は30分以内で組みます。遠い施設は、入居後の面会にも通いにくくなります。

土日は相談員だけの施設があるので、本命は平日に入れます。

見学の記録は同じ表と同じ項目で1件ごとに書く

見学の記録は、A4一枚の同じ表を使います。項目は先に決めて、見学のたびに増やさずに使います。増やすと、前に見た施設と比べられなくなります。

項目書くこと
施設名・日時・時間帯いつ、どの場面を見たか
案内者の職種相談員か、施設長・介護職員か
見た場面食堂・浴室・トイレ・居室の印象
質問の答え医療・職員・費用・退去の4系統
匂い・身なり・コール気づいたことを一言
本人の反応同行した場合
総合5段階

家族で分担して見学するときも、同じ表を使います。

見学の同行とオンライン見学は候補を落とす道具に使う

見学の負担を減らす道具は、同行とオンライン見学の2つです。

老人ホーム紹介センターの相談員は、見学に無料で同行します。無料の理由は、入居が決まったときに施設から紹介手数料を受け取るためです。同行してもらう場合も、質問は自分の表で自分が聞きます。紹介センターの選び方は紹介センターの比較は順位より軸5つで書いています。

ケアマネジャーが同行できる場合は、介護の状態を知っている人が説明を聞くので、受け入れの可否が早く分かります。

オンライン見学(動画通話での案内)は、移動なしで施設の様子が見えます。匂い・音・身なりは画面の外なので、候補を落とす道具として使い、残った施設は現地で見ます。

本人を老人ホーム見学に連れて行くべきかの判断

本人を連れて行くかは、見学の段階と本人の状態で決めます。

段階本人の状態が安定認知症・体力に不安
初回(候補3件前後)家族だけで下見家族だけで下見
候補が2件に絞れた後本人と一緒に見学30分の参加の形で同席
連れて行けない動画・体験入居・訪問面談動画・体験入居・訪問面談

初回は家族だけ、絞れてから本人と、が基本の形です。

初回は家族だけで下見し候補が2件になってから本人と行く

初回の見学に本人を連れて行くと、うまくいかないことが多いです。理由は3つあります。

1つは、知らない場所を90分歩く見学が、高齢の本人には重い時間であることです。2つは、5件見ると「どこも嫌だ」になり、探すこと自体が止まることです。3つは、本人が来た見学は、施設が本人を見て受け入れを判断する場になることです。

初回は家族だけで下見をして候補を2件に絞り、そのうえで本人と一緒に行きます。本人は2件なら比べられ、施設側にも「決める段階」として伝わります。

厚生労働省の指導指針は、契約締結前に十分な時間的余裕をもって重要事項説明書と入居契約書を説明し、説明した人と説明を受けた人が署名することを施設に求めています。本人が一度も施設を見ないまま契約に進む形は避けます。

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について

本人を連れた見学は施設側の入居前面談でもある

本人を連れて行った見学は、家族が施設を見る場であると同時に、施設が本人を見る場です。

職員は、本人の歩き方、会話の受け答え、表情、食事の様子を見ています。正式な入居前の面談は別の日ですが、見学の場でその前段階の判断が始まっています。

だから、本人の状態は電話で先に伝えます。医療処置や認知症の症状を伝えずに行き、当日「受け入れが難しい」となると、本人にとって嫌な記憶が1つ増えるだけです。先に伝えて「その状態なら大丈夫です」と聞いてから、本人を連れて行きます。

本人が来る見学だと伝えておくと、施設側も車椅子・休憩・短時間の案内を用意してくれます。

認知症の本人は昼食かレクの時間に30分だけ参加する形にする

認知症のある本人は、環境の変化に敏感です。館内を90分歩き回る見学は、混乱や不安につながり、帰宅後に落ち着かなくなることがあります。

見学の代わりに「参加」の形にします。昼食かレクリエーションの時間に合わせて行き、本人は食堂かホールで30分だけ同席します。家族が館内を見る時間は、本人が座っている間に済ませます。

施設には電話で「認知症があるので、30分ほど食事かレクに同席させてもらえますか。車椅子と休める場所をお願いします」と頼みます。受けてくれる施設は、認知症の人の受け入れに慣れています。

本人に「見学に行く」と伝えると拒否につながりやすいです。誘い方は契約前、親本人ともう一度見学すべき?で書いています。

本人を連れて行く日の段取りの例

前日に施設へ電話し、昼食の同席と車椅子を頼む。当日は11時30分に到着し、本人は食堂の端の席で職員と昼食を取る。家族はその30分で浴室と空室を見て、質問は事前に済ませておく。12時15分に退出し、帰り道の車の中で本人の話を聞く。

本人の反応は言葉より食事の進みと表情と帰宅後の様子で見る

本人に「良かった?」と聞いて「嫌だ」と返ってきても、それは施設の評価とは別のことが多いです。知らない場所への不安が「嫌だ」の言葉になります。

見るのは言葉以外です。同席した食事がどれくらい進んだか。職員が声をかけたときの表情。帰り道に何を話したか。その夜に眠れたか。

2回目に同じ施設へ行くと、態度が変わることがあります。1回の反応で決めるより、2回の反応を並べて見ます。

本人の反応は、家族の見学の記録と並べて表に書きます。施設を選ぶ材料の1つで、全部ではないと考えて扱います。

連れて行けないときは動画と体験入居と訪問面談で本人の目を入れる

入院中、体力の低下、強い拒否で本人を連れて行けないときも、本人の目を入れる方法が3つあります。

1つは動画と写真です。施設に頼めば、居室・食堂・浴室を撮って送ってくれます。

2つは体験入居です。厚生労働省の指導指針は、すでに開設している有料老人ホームに対して、契約締結前の体験入居の機会を確保するよう求めています。重要事項説明書にも「体験入居の内容」の欄があります。数日の宿泊で、見学では分からない夜の様子と食事が分かります。

3つは施設側の訪問面談です。相談員や看護師が病院や自宅に来て本人と会い、本人はその場で施設の人と話ができます。

契約の前にもう一度本人と見学すべきかは、契約前、親本人ともう一度見学すべき?で書いています。

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について

出典: 厚生労働省 有料老人ホーム 重要事項説明書(別紙様式)

まとめ:見学の価値は予約の電話で決まる

見学の価値は、予約の電話で決まります。本人の状態を伝え、重要事項説明書と料金表を先にもらい、昼食か夕方の時間帯を指定し、介護職員と話す時間を頼む。この4つを電話でやるだけで、同じ90分で分かることが変わります。

次の一歩は、電話をかける前に候補を3件前後まで書類で絞ることです。ここを飛ばして5件6件と回ると、3件目から記憶が混ざり、条件だけが増えて決められなくなります。

送られてきた重要事項説明書を開いて、夜勤の最少時人数と前年度の退去先の人数を確かめ、当日の質問を医療・職員・費用・退去の4系統に絞りましょう。介護のあんしんでは、老人ホームの見学の予約と質問リストも含めて、老人ホーム探しで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。