※1999年創業の会社が運営する「シニアのあんしん相談室」よりサービス提供を受けております。

「みんなの介護」の施設ページを何度も開いたあと、資料請求のボタンの前で手が止まる家族が多くいます。「電話がしつこい」という評判が本当なのか、無料で使える理由に裏があるのかが気になるからです。
評判の良い面と悪い面は、どちらも同じ1つの仕組みから出ています。その仕組みは、業界団体に公表されている届出の項目から分かります。
掲載されている施設の数と、紹介契約を結んでいる施設の数は別です。そして電話は2系統から来ます。この2つを先に押さえると、候補を広く拾う道具として損をせずに使えます。
「みんなの介護」は、株式会社クーリエ(2011年4月設立・東京都渋谷区恵比寿)が運営する老人ホームの検索サイトです。同時に、業界団体の高齢者住まい事業者団体連合会(高住連)へ届け出た紹介事業者でもあります(届出公表番号20-0170)。掲載施設数は59,580件、年間の入居相談は10万件以上と公表されています(2026年9月時点)。
つまり、施設を探す「検索サイト」と、相談員が施設を提案する「紹介センター」の2つの顔を持つ会社です。評判の良い面も悪い面も、この2つの顔と、施設からお金をもらう仕組みから出てきます。
家族が「みんなの介護」を使う費用はゼロです。検索も資料請求も相談も無料です。
理由は、紹介手数料(入居が決まったときに施設が運営会社へ払うお金)があるからです。施設向けの掲載案内には、こう書かれています。
初期費用・月額費用0円の完全成功報酬型(入居課金型)!
つまり施設は、入居が決まったときだけ払います。
ここから前提が1つ出ます。運営会社にも施設にも「入居してほしい」という動機がある、という点です。動機があるので、資料請求のあとに連絡が続きます。
手数料の決まり方は、老人ホーム紹介センターが無料の理由、手数料の決まり方と中立性が揺らぐ場面に書いています。
出典: みんなの介護(株式会社クーリエ) 施設情報掲載のお問い合わせフォーム
良い評判は「掲載数が多く写真も多い」「入居金と月額の目安をすぐ計算できる」「相談員が丁寧に事情を聞いてくれた」の3つです。掲載が無料なので、全国の施設が集まります。
悪い評判は「電話がしつこい」「提案が特定の施設に偏る」「口コミが信用しにくい」の3つです。電話が続くのは、運営会社と施設の両方に入居を望む動機があるからです。提案が偏るのは、相談員が紹介できるのが契約している施設に限られるからです。
評判の両面は1つの仕組みから出る
掲載が無料で、入居が決まったときだけ施設が払う
→ 施設が集まり、情報が多い(良い面)
→ 入居させたい動機が強く、連絡が続く(悪い面)
どちらの評判も本当です。仕組みを知って使えば、良い面だけを取り出せます。
高住連の「高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度」では、届け出た紹介事業者ごとに、総相談員数・契約法人数・契約ホーム数・相談拠点総数・紹介可能エリア・中心となる相談方法などが公表されます。届出は任意の制度で、届け出た会社だけが一覧に並びます。クーリエの届出値と、サイトの掲載数を並べると次のとおりです。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 掲載施設数(サイトの表示・2026年9月時点) | 59,580件 |
| 契約法人数(届出) | 6,500 |
| 契約ホーム数(届出) | 18,000 |
| 総相談員数(届出) | 30 |
| 相談拠点総数(届出) | 1か所(東京都渋谷区恵比寿) |
| 紹介可能エリア(届出) | 北海道から沖縄県まで全47都道府県 |
| 中心となる相談方法(届出) | WEB、電話 |
この表で、サイトに何を期待してよいかが決まります。なお、公表ページには届出値がいつ時点のものかの記載がないため、表の届出値は公表ページの現在の表示です。
サイトには59,580件が載っていますが、紹介契約を結んでいる施設は18,000件です。契約ホーム数を掲載施設数で割ると約30%になります。届出値とサイトの掲載数を突き合わせた計算です。残りの施設は、施設ページを見られても、相談員が提案する候補の外にあります。
気に入った施設のページに「資料請求」のボタンがあっても、契約の外なら相談員の提案からは外れます。「載っている=紹介される」と考えるより、「載っている施設の一部が紹介される」と考えると、提案が偏って見える理由も分かります。
施設の一覧を眺める道具としては掲載数の多さが価値になり、相談員に任せる道具としては契約ホーム数が実力になります。
出典: 高齢者住まい事業者団体連合会 届出紹介事業者検索(株式会社クーリエ)
相談員は30名、相談拠点は東京都渋谷区恵比寿の1か所で、相談はWEBと電話が中心です。全47都道府県に対応しますが、地域に店舗を置く対面型の紹介センターとは仕組みが違います。契約ホーム18,000件を相談員30名で割ると、1人あたり600件です。
期待してよいのは、条件に合う候補を電話とメールで出してもらうことです。期待しにくいのは、「あの施設の今の空き状況」「夜勤の職員が何人か」といった地域の細かな事情や、見学への同行です。
対面型の紹介センターとの違いや、届出一覧で比べる方法は、老人ホーム紹介センターの比較は順位より軸5つ、届出一覧で選ぶ方法に書いています。
出典: 高齢者住まい事業者団体連合会 届出紹介事業者検索(株式会社クーリエ)
最初の電話で、次の3つを聞いておきます。
最初の電話で聞く3つ
「サイトで見た○○という施設は、御社の紹介契約の中にありますか」
「私の市区町村で紹介できる施設は何件ありますか」
「紹介の対象に入っていない施設はどこですか」
1つ目の答えで、相談員を通すか、施設へ直接連絡するかが決まります。契約の外なら、施設の窓口に自分で電話した方が早く進みます。
2つ目と3つ目の答えで、その地域で相談員に任せられる範囲が分かります。件数が少ない地域なら、提案は地域の別の窓口へ頼みます。
この3つを聞く根拠は、届出制度の行動指針(届け出た会社が守ると約束した決まり)にあります。届け出た紹介事業者は、原則として個別に提携している高齢者向け住まいを紹介していると説明する義務を負っています。厚生労働省の「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」も、こう示しています。
高齢者住まい事業者団体連合会が運営する「高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度」に届出を行い、行動指針を遵守している事業者を選定することが望ましいこと。
相談先の使い分けは、老人ホーム探しは誰に相談する?4つの窓口の違いと最初に行く先に書いています。
出典: 高齢者住まい事業者団体連合会 紹介事業者届出公表制度
流れは次の順番です。
電話は、運営会社と施設の2系統から来ます。ここを先に知っておくと、連絡の設計ができます。
資料請求は「資料をもらう」というより、「施設に連絡先と事情を渡す」行為です。運営会社のプライバシーポリシーには、こう書かれています。
カスタマーからの介護施設の資料請求・見学予約等のお申し込みに基づき、介護施設を運営する事業者に対して、カスタマーの氏名、性別、住所、電話番号、メールアドレス、要介護度、認知症の度合い等のお申込み情報を提供するため
氏名と連絡先に加えて、要介護度や認知症の度合いも、資料を送る施設に渡ります。
5件に資料請求すれば、5つの施設が連絡先を持ちます。件数は、そのまま電話の本数に近づきます。
だから資料請求は、見学に行く可能性がある施設に絞ります。候補を広げる段階では、施設ページと相場のページだけを見ます。
件数を増やすと起きることと減らす順番は、老人ホームの一括資料請求のデメリットは3つ、電話と個人情報を減らす順番に書いています。
運営会社の入居相談センター(0120-370-915・年中無休9:00〜19:00)からは、まず状況を確認する電話が来ます。そのあと契約している施設の中から候補を提案し、見学後には感想を聞く連絡が入ります。状況確認・施設提案・見学後フォローの3段階です。
施設からは、資料の到着前後に営業の電話が来ることが多いです。こちらは相談員とは別の人で、資料請求した施設の数だけ続きます。
「しつこい」と感じる正体は、この2系統が同じ時期に重なることです。件数を絞ることと、連絡の条件を先に伝えることが、両方の系統に効果を持ちます。
出典: みんなの介護(株式会社クーリエ) 施設ページ(入居相談センターの案内)
資料請求の要望欄か、最初の電話で、連絡の条件を自分から伝えます。
連絡の条件の伝え方
「連絡はメールのみ希望です」
「電話は平日10時〜12時のみお願いします」
「窓口は長女の私です。本人への連絡は控えてもらえると助かります」
家族の中で窓口を1人に決め、その人の連絡先だけを書きます。本人の携帯番号を書くと、本人に営業の電話が行きます。
伝えたのに電話が来たら、「メールのみでお願いすると申し上げました」ともう一度伝えます。「今は検討中です」と曖昧に返すと、時間をおいてまた連絡が来ます。
公式の停止の窓口は「メール配信停止申込フォーム」です。入力するのはメールアドレスだけです。注意書きには、施設関連の案内と入居お祝い金の申請完了通知は配信停止の対象外と書かれています。このフォームで止まるのは、運営会社が送るメールだけです。
電話とSMSを止めたいときは、入居相談センター(0120-370-915)へ電話して、停止したい番号を伝えます。それでも連絡が続くときは、別の電話番号やメールアドレスで登録していないかを確かめます。
施設からの電話は、施設の担当者に直接伝えて止めます。資料請求した施設ごとに、「案内の停止をお願いします」と言います。
渡した情報の扱いそのものを止めたいときは、運営会社の個人情報問合せ窓口へ「第三者への提供の停止」を請求する道もあります。請求できる項目は、プライバシーポリシーに書かれています。
言いにくいときは、「別の施設に決めました」と伝えると、その場で終わることが多いです。止めたあとに改めて電話すれば、相談は再開できます。
出典: みんなの介護(株式会社クーリエ) メール配信停止申込フォーム
口コミは、サイト経由で見学した人の感想が集まる仕組みです。お祝い金は、施設が払う広告費を原資にした特典で、2025年8月末に申請の受付が終わっています。どちらも「誰が、何の動機で動いた結果か」を押さえると、読み方が決まります。
口コミがある掲載施設は、2025年6月の第三者調査で14,852件でした。同じ調査主体が2025年5月に数えた掲載施設数は58,908件で、割ると約25%です。4分の3ほどの施設は、口コミがゼロのまま載っています。
口コミが付くのは、サイト経由で資料請求と見学が多い施設です。口コミがゼロの施設は「評判が悪い施設」というより、「サイト経由の見学が少ない施設」です。
口コミの有無で選別すると、サイト経由の入居が多い施設ばかりが残ります。ゼロの施設を候補から外す前に、公的な一覧に載っているかを見ます。
公的な一覧の見方は、老人ホームの紹介会社に連絡する前に、公的な一覧で地域の施設名を見ておくことに書いています。
出典: みんなの介護(株式会社クーリエ) 口コミあり掲載施設数No.1のニュースリリース
出典: みんなの介護(株式会社クーリエ) 掲載数8年連続No.1のニュースリリース
口コミを読むときは、まず投稿の日付を見ます。施設の良し悪しは、建物より「そのときにいる職員」で決まります。2年前の高評価が保証するのは、2年前の施設です。サイト自身も、口コミの下に次の2行を添えています。
※口コミは、実際に施設を見学された方の個人の見解に基づくものです。
※施設の状況やサービス内容は投稿当時と異なる場合がございます。
日付の新しい口コミを優先し、古い口コミからは建物や立地の情報だけ拾います。
次に、投稿の動機を見ます。サイトには「施設の見学&アンケート回答で最大5,000円分のAmazonギフトカードをプレゼント」の案内があり、口コミの多くは見学した人の感想です。「見学した」だけの口コミと、「入居して○か月」の口コミは分けて読みます。
最後の判断は、見学で自分の目で確かめたことで下します。
出典: みんなの介護(株式会社クーリエ) 施設の口コミ・評判ページ
「みんなの介護 入居お祝い金 最大10万円」という表示を覚えている方もいます。この制度は、公式の「入居お祝い金 進呈規定」の題名に「2025年8月31日申請受付終了」と入っていて、申請の受付が終わっています。2026年9月の時点で家族が受け取れる特典は、見学とアンケート回答に対する最大5,000円分のAmazonギフトカードです。
規定には、お祝い金の原資(お金の出どころ)が施設の運営事業者から受け取った広告費であること、金額は数千円から最大10万円までの間で、施設が支出している広告費の額などを考慮して定めることが書かれていました。高住連の遵守項目は、倫理に反する行為の例示として「成約後のお祝い金やキャッシュバック等の名目による顧客誘導」を挙げています。
ここから言えるのは、特典の額で施設を選ばないことです。特典が多い施設は「広告費を多く払う施設」であって、「介護の質が高い施設」とは別です。もらえるなら受け取り、選ぶ理由には入れない形にします。
出典: みんなの介護(株式会社クーリエ) 入居お祝い金 進呈規定(2025年8月31日申請受付終了)
出典: 高齢者住まい事業者団体連合会 紹介事業者届出公表制度
「みんなの介護」は、候補を広く拾う道具として使い、絞る段階は別の道具に渡すと、損をせずに使えます。手順は次の5段階です。
使うと強いのは、まず遠方の親の地域で施設を探す場面です。掲載数が多いので、その地域の施設名と外観、入居金と月額の目安が一度に見られます。
次に、費用の目安を早く知りたい場面です。施設ページには要介護度と介護保険の負担割合を選ぶと入居金と月額の目安が出る欄があり、市区町村ごとの相場ページもあります。
物足りなさが出るのは、見学に同行してほしい場面、地域の空き状況を聞きたい場面、日中に電話を受けられない場面です。こうした場面では、サイトは一覧と相場を見る道具に絞り、相談は地域の窓口に頼みます。
出典: みんなの介護(株式会社クーリエ) 流山市の老人ホームの相場
出典: みんなの介護(株式会社クーリエ) 施設ページ(費用の計算の欄)
最初に、入居する人の状態・予算の上限・地域・譲れない条件を1枚にまとめます。相談員に伝えるときも要望欄に書くときも、この1枚で済みます。作り方は親の介護の初回相談へ持っていく一枚のつくり方に書いています。
次に、公的な一覧でその地域の施設名を見ておきます。サイトに載っていない施設が地域にどれだけあるかを、先に把握するためです。
そのうえで「みんなの介護」で候補と相場を一覧します。気になる施設が見つかったら、資料請求ボタンを押す前に入居相談センターへ電話し、契約の中にあるかを聞きます。資料請求は3〜5件に絞ります。
契約の外にある施設は、施設の窓口へ自分で電話します。施設側は紹介手数料を払わずに済むので、話が進めやすくなります。
見学に同行してほしいときは、地域に店舗を持つ対面型の紹介センターを1社だけ並行して使います。3社以上に頼むと、同じ施設に複数の紹介が重なり、施設側の対応が鈍くなることがあります。
運営会社の対応に困ったときは、届出制度の行動指針が根拠になります。届け出た紹介事業者は、紹介できる範囲の説明、手数料のルールを示すこと、個人情報の適正な取り扱い、苦情への迅速な対応を守る立場にあります。止めてほしい連絡が止まらないときは、行動指針のどの項目に反するかを示して運営会社へ伝えます。高住連は一般的な苦情相談窓口を設けていないので、違反の疑いを具体的に示す形になります。仕組みを知って使えば、「みんなの介護」は損をせずに使える道具です。
出典: 高齢者住まい事業者団体連合会 紹介事業者届出公表制度
いちばん重いのは、掲載されている施設の数と、相談員が紹介できる施設の数が別だという点です。サイトの掲載は59,580件、高住連へ届け出た契約ホーム数は18,000で、割ると約30%になります。載っている施設の3割ほどが紹介契約の中にあり、残りは施設ページを見られても相談員の提案の外にあります。「掲載数No.1だから何でも紹介してもらえる」という読み方は、この2つの数を並べた時点で成り立たなくなります。
次の一歩は、資料請求ボタンを押す前に入居相談センターへ電話して、気になる施設が紹介契約の中にあるかを聞くことです。これを飛ばして先に資料請求すると、氏名や電話番号に加えて要介護度や認知症の度合いまでが資料を送る施設に渡り、運営会社と施設の2系統から電話が始まります。公式のメール配信停止申込フォームで止まるのは運営会社のメールだけで、施設への案内停止は施設ごとに自分で頼む形になります。
次に確かめるのは、自分の市区町村で紹介できる施設が何件あるかと、紹介の対象に入っていない施設はどこかの2つです。答えが具体的なら相談員に候補出しを任せ、はぐらかされたらサイトは一覧と相場を見る道具に絞り、提案は地域の窓口へ回します。介護のあんしんでは、みんなの介護の評判の読み方と使い方も含めて、老人ホーム探しで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。