入居一時金なしで月額15万円の有料老人ホーム|月払い方式の仕組みと総額比較

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※1999年創業の会社が運営する「シニアのあんしん相談室」よりサービス提供を受けております。

 

まとまった預貯金を入居一時金に回せないまま、有料老人ホームを探している人がいます。

「一時金なしの施設は限られる」「月払いは損だ」と聞いて、探す前から候補を狭めてしまいがちです。厚生労働省の調査を開くと、その前提のほうが実態とずれています。

前払金を取らない施設がどれだけあるか、表示月額15万円で実際に払う総額はいくらか、一時金ありと何年で逆転するか。数字と国の書式で順に並べます。

入居一時金なしで月額15万円の有料老人ホームの姿と総額

入居一時金なしで表示月額15万円の施設も、候補にできます。ただし、毎月の総額が15万円とは限りません。

前払金を取る施設のほうが少数派で、月額15万円という水準も、施設の種別によって候補の出方が大きく変わります。まず、その施設の姿と、実際に払う総額を並べます。

費目表示月額15万円に目安
家賃入る5万〜8万円
管理費入る2万〜4万円
食費入る4万〜6万円
介護保険の自己負担介護付きは要介護3で月2万円ほど・住宅型は使った分
医療費・薬代・おむつ・日用品1万〜3万円

前払金を取らない施設は介護付きで7割と住宅型で9割を占める

厚生労働省が公表した「有料老人ホームの現状と課題について」には、令和6年度の調査結果が載っています。前払金(入居一時金)を徴収している施設は、介護付き有料老人ホーム(特定施設)で31.0%、住宅型有料老人ホームで7.0%、サービス付き高齢者向け住宅で3.4%でした。

裏返すと、介護付きの約7割、住宅型の約9割は、前払金を取らずに月払いで入れる施設です。同じ調査は、入居者が選べる家賃の支払い方式についても、どの類型でも「全額月払い」が最も多く約8割を占めると報告しています。

一時金なしに絞るだけで、候補が極端に少なくなるとは限りません。一時金のある施設が、別に0円プランを用意している場合もあります。

検索では月払いの有無と、0円プランでの月額をセットで確認します。

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの現状と課題について

表示月額15万円の内訳は家賃と管理費と食費で介護費は別に乗る

表示月額に含まれる費用は、施設や検索サイトによって違います。家賃・管理費・食費だけか、ほかの費用も含むかを確認します。

重要事項説明書では、家賃、食費、管理費、介護費用、光熱水費などを分けて確認できます。「介護費用」と書かれていても、介護保険の自己負担を含むとは限りません。何が別料金かを施設に聞き、表示月額と総額を分けます。

たとえば家賃6万円・管理費4万円・食費5万円なら合計15万円です。これは内訳の例で、実際の料金とは異なります。一時金ありのプランとも、同じ部屋・同じサービスで比べます。

介護保険の自己負担、医療費・薬代、おむつ、日用品、理美容代などが別なら、15万円に足します。表示額だけで決めず、自分の介護度と負担割合を伝えて、毎月の見積りを出してもらいます。

出典: 厚生労働省 別紙様式 重要事項説明書

出典: 厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について

表示15万円でも、介護費などを足すと総額は上がる

ここでは、表示15万円に介護費と医療費などを足す例を示します。実際の請求額は、負担割合やサービス、加算で変わります。

介護付き・要介護3の基本報酬は1日679単位です。30日・1単位10円・1割負担なら20,370円。仮に医療費・おむつ・日用品を月1万〜2万円とすると、表示15万円との合計は180,370〜190,370円です。施設の加算や地域による単価の違いは別に加えます。

住宅型は外部の介護サービスを使った分を払います。仮に介護の自己負担が月1万円、医療費・日用品などが1万円なら総額17万円です。これは計算例なので、実際のケアプランに基づく見積りに置き換えます。

総額を月15万円に収めるなら、介護費や医療費などを先に見込み、残りを表示月額の上限にします。例えば別払いが3万円なら、表示月額は12万円までです。必要な額は本人の状態や施設によって変わります。 関連:老人ホームを月15万円以内で探す方法|表示月額の逆算と施設種別と地域差

出典: 厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について

出典: 厚生労働省 居宅介護サービス費等区分支給限度基準額(平成12年厚生省告示第33号)

調査では住宅型のほうが低い月額の施設が多い

同じ調査は、月額費用(介護と医療の自己負担を除く総額)の分布も示しています。14万円未満の施設は、住宅型で76.3%、介護付きで10.6%、サービス付き高齢者向け住宅(非特定)で41.3%でした。14万円以上16万円未満を足すと、住宅型は87.0%、介護付きは19.0%になります。

平均額は、介護付きが26万1,510円、住宅型が11万8,020円、サービス付き高齢者向け住宅(非特定)が15万3,952円です。

この調査では、住宅型のほうが低い月額の施設を探しやすい傾向が分かります。ただし、全国の回答施設の分布です。希望する地域や医療・介護条件でも同じ割合で見つかるとは限りません。介護付きで候補が少なければ、周辺地域も調べます。

住宅型と介護付きの違いは、介護費の乗り方です。住宅型は使った分だけ、介護付きは要介護度ごとの定額。要介護度が上がったときの総額の動き方が違うので、15万円の候補は種別を分けて並べます。

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの現状と課題について

月払い方式の仕組み

一時金なしのプランは「月払い方式」と呼ばれます。

家賃などをまとめて前払いせず、毎月払う方式です。手元の資金を残せますが、同じ部屋の前払いプランより月額が高くなる場合があります。初期費用と月々の費用を分けて見ます。

月払いの家賃は前払金の算定根拠を割り戻して確かめる

厚生労働省の有料老人ホーム設置運営標準指導指針は、前払金の算定根拠を書面で示すよう求め、終身にわたる契約の算定式を次のように定めています。

(1ヶ月分の家賃又はサービス費用)×(想定居住期間(月数))+(想定居住期間を超えて契約が継続する場合に備えて受領する額)

前払金には、想定期間分の家賃などに加え、その期間を超えて住む場合に備えた額が含まれることがあります。前払金を月数で割るだけでは、月払いプランとの違いは分かりません。

一部前払いなら家賃が残ることもあります。重要事項説明書で、何の費用をどの期間分前払いするのかを確認し、月払いプランの家賃・管理費などと並べます。

国の標準指導指針は、家賃を建物整備や修繕などの費用をもとに合理的に算定するよう求めています。金額に疑問があれば、値引きを前提にするより、算定根拠とプラン間の差を説明してもらいます。

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について

出典: 厚生労働省 別紙様式 重要事項説明書

月払いには前払金の初期償却がない

前払金の「初期償却」は、想定居住期間を超えて住む場合に備えた額などを指します。返金額に影響するため、初期償却額・率と返還式を確認します。ただし、入居後3か月以内の解約・死亡には別の返還ルールがあります。

月払いには前払金の初期償却がありません。ただし、退去時の原状回復費や解約予告期間の利用料などがかかる場合はあります。短期入居を考える方は、月額だけでなく、退去時の精算も比べます。

指針は、既に開設されている施設に対して、体験入居を希望する人へ契約締結前に体験入居の機会を確保するよう求めています。重要事項説明書の様式にも「体験入居の内容」の欄があるので、申し込む前に有無と条件を確かめられます。

短く住む可能性があるなら、前払金の返還条件と月払いの総額を比較します。「月払いなら損が出ない」とまでは言えませんが、大きな前払金を用意せずに済む点はメリットです。

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について

出典: 厚生労働省 別紙様式 重要事項説明書

家賃を含め、どの費用が改定されるかを確かめる

月払いでは、契約条件により家賃が改定される場合があります。前払いでも、管理費・食費などは別に改定されることがあるため、「一時金を払えば月額がずっと固定」とは考えません。

指針は、利用料等の改定のルールを入居契約書か管理規程に定めておくことと、改定にあたって根拠を入居者に示すことを求めています。重要事項説明書の様式にも「利用料金の改定」の欄があり、条件と手続きの2つを書く形です。

仮に月額全体が毎年2%ずつ上がると、15万円は5年後に約16万6千円。3%なら約17万4千円です。これは値上げの予測ではなく、家計にどの程度の余裕が必要かを見る計算例です。

契約前に、改定の条件、手続き、通知の方法を確かめ、過去の改定の実績を施設に聞きます。月払いの人ほど、この条項が家計に直に響きます。

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について

出典: 厚生労働省 別紙様式 重要事項説明書

一時金なしでも敷金と初月の費用は要る

一時金なしでも、敷金、初月の利用料、引っ越しや家具の費用などは必要です。保証サービスを使う場合は契約料も確認します。「契約時」「入居月」「翌月以降」に分けて、支払額を出してもらいます。

敷金には上限と返還の決まりがあります。指針は敷金の額を家賃の6か月分を超えないこととし、退去時に居室の原状回復費用を除いて全額返還するよう求めています。老人福祉法施行規則も、前払金の範囲から敷金(家賃の6か月分が上限)を外しています。

老人福祉法第29条第8項は、家賃、敷金、介護等の対価として受け取る費用を除いて、権利金その他の金品を受け取ることを禁じています。名目のはっきりしない金銭を求められたときは、この条文が判断の基準になります。

前払金には施設が倒産したときに備える保全の義務がありますが、敷金はその対象の外にあります。保全の確かめ方は有料老人ホームの入居一時金のうち、実際に保全されている額を契約前に確かめる方法で扱っています。

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について

出典: e-Gov法令検索 老人福祉法(昭和38年法律第133号)第29条

入居一時金ありと総額で比べる方法

一時金なしと一時金ありのどちらが総額で安いかは、何年住むかで決まります。

自分の数字で分かれ目の年数を出す型を並べます。実額のシミュレーションと失敗例は入居一時金と月払い、総額はいくら変わる?実額シミュレーションでわかる後悔しない選び方が詳しく扱っています。

比べる型(仮定の数字)

同じ部屋で、一時金360万円・月額13万円と、一時金0円・月額16万円を比べます。返金と料金改定を考えない単純計算では、月額差3万円×120か月=360万円で、10年後に総額が同じです。途中退去時の返金があれば結果が変わるため、3年・5年・10年など、住む期間ごとにも計算します。

同じ部屋の2プランの月額差を12倍して一時金に追いつく年数を出す

まず、一時金の差を月額の差で割ります。これで、返金や料金改定を考えない場合の目安が出ます。両プランでサービス内容や別途費用が同じことも確かめます。

上の例では360万円÷月3万円=120か月、つまり10年です。ただし、10年未満なら必ず月払いが安いとは限りません。途中退去時の返金を引いて比較する必要があります。

2つのプランは、重要事項説明書の様式にある「利用料金のプラン」の欄で並びます。代表的なプランを2例書く形になっていて、前払金、敷金、月額費用の合計、家賃が2列で並ぶので、そのまま計算に使えます。

目安を出したら、次に退去時期ごとの返金を確認します。同じ一時金でも、返還式や償却期間が違えば総額も変わります。

出典: 厚生労働省 別紙様式 重要事項説明書

一時金の返還見込みは初期償却と償却期間で決まる

たとえば一時金360万円、初期償却20%、残りを5年間で均等に償却すると仮定します。2年半で退去した場合、残る80%の半分で144万円が返る計算です。実際の返還式や日割りの扱いは施設ごとに確認します。

この例で月額13万円なら、2年半の総額は360万円+13万円×30か月−返金144万円=606万円です。月払い16万円なら480万円。返金額は退去時期によって変わるため、返金を差し引いた一時金を単純に割って「分かれ目」を固定するのではなく、期間ごとに総額を並べます。

入居後三月が経過するまでの間に契約が解除されたり入居者が亡くなったりした場合は、老人福祉法施行規則第21条により、家賃等の月額を30で割った額に入居した日数を掛けた分を控除した額が返ります。指針は、解約の予告期間を設けてこの返還義務の期間を事実上短くすることも禁じています。重要事項説明書の「入居者からの解約予告期間」の欄と合わせて確かめます。

出典: e-Gov法令検索 老人福祉法施行規則(昭和38年厚生省令第28号)第21条

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について

平均だけに頼らず、退去理由と長く住める条件を見る

何年住むかは正確には分かりません。短期・中期・長期の複数の期間で比べ、施設の退去理由や医療・介護の対応範囲も確認します。

厚生労働省の令和6年度の調査では、退去先の内訳のうち死亡による契約終了が最も多く、介護付きで59.2%、住宅型で55.3%、サービス付き高齢者向け住宅(非特定)で43.1%でした。次いで病院・診療所が14.2%、17.0%、17.6%、特別養護老人ホームが4.7%、7.6%、8.2%と続きます。住宅型の死亡による契約終了のうち57.7%は居室での看取りです。

ただし、死亡による契約終了には病院で亡くなった方も含まれ、「過半数が施設内で最期を迎えた」とは読めません。また、この割合から自分の居住年数は決められません。看取りの対応や、入院後に戻れる条件を候補施設に聞きます。

自分の候補の実績は、重要事項説明書の入居期間別の入居者数の欄で分かります。6か月未満から10年以上までの人数が並ぶので、入居一時金と月払い、総額はいくら変わる?実額シミュレーションでわかる後悔しない選び方の考え方と合わせて年数を置きます。

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの現状と課題について

出典: 厚生労働省 別紙様式 重要事項説明書

途中で退去したときの精算を2プランで比べる

退去時の精算は契約で確認します。月払いでは、退去月の利用料、解約予告期間、敷金の返還と原状回復費を見ます。一時金ありでは、これらに前払金の返還計算が加わります。日割りになるとは限りません。

入院で不在になる期間の扱いも、月払いの人には大きく響きます。重要事項説明書の様式には「入院等による不在時における利用料金(月払い)の取扱い」の欄があり、「減額なし」「日割り計算で減額」「不在期間が〇日以上の場合に限り日割り計算で減額」の3つから選ぶ形です。長期の入院がありうる人は、契約前にこの欄を確かめます。

指針は、入居開始可能日より前に契約が解除された場合に既に受け取った金銭の全額を返還することと、前払金の内金を前払金の20%以内にとどめることも求めています。申し込みの段階で大きな額を先に求められたときの目安になります。

短期で移る可能性がある方は、初期費用と精算の負担を重視します。長く住みたい方も、希望だけで一時金ありに決めず、長期の総額と、途中で退去した場合の両方を確認します。

出典: 厚生労働省 別紙様式 重要事項説明書

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について

入居一時金なしで月額15万円の有料老人ホームの探し方

探し方は、検索サイトの絞り込みから始めて、料金表と重要事項説明書で条件を確かめ、見積りを総額でもらう順です。

  1. 検索サイトで「入居金0円」「月額15万円以下」で絞る
  2. 料金表で同じ部屋の複数プランを並べ、初期費用・月額・退去時の返金を比べる
  3. 重要事項説明書の前払金の欄と利用料金の欄を確かめる
  4. 見積りを総額で、今と重度化後の2枚もらう

検索サイトは入居金0円と月額15万円以下で絞り他のプランも見る

施設の検索サイトには「入居金0円」「月額〇万円以下」の絞り込みがあります。この2つで絞ると、一時金なしのプランを持つ施設が並びます。地域は都市部に加えて郊外まで広げると、介護付きの候補も出てきます。

検索結果の「月額13万円」が、一時金ありのプランだけに適用される場合があります。0円プランでは16万円という例なら、希望の条件に合いません。候補が出たら公式の料金表で、0円プランと表示月額が同じ組み合わせかを確認します。

支払い方式は重要事項説明書の様式でも表示事項になっていて、「全額前払い方式」「一部前払い・一部月払い方式」「月払い方式」「選択方式」から該当するものを全て選ぶ形です。有料老人ホーム情報は都道府県が公表する決まりなので、自治体のページでも同じ項目にたどり着けます。

出典: 厚生労働省 別紙様式 重要事項説明書

出典: e-Gov法令検索 老人福祉法(昭和38年法律第133号)第29条

同じ部屋の複数プランで月額全体の差を比べる

施設の料金表には、同じ部屋について「入居金0円」「一部前払い」「全額前払い」の複数のプランが並ぶことがあります。

家賃を中心に、管理費やサービス費にも差がないかを見ます。同じ部屋でも費用の前払い範囲が違う場合があるため、家賃だけに絞らず、毎月払う合計額で比較します。

家賃以外の欄が違っていたら、たとえば管理費が0円プランだけ高いなら、その理由を聞きます。指針は費目ごとの算定根拠を重要事項説明書に書くよう求めていて、様式にも家賃、敷金、介護費用、管理費、食費、光熱水費の算定根拠を並べる表があります。説明の付かない差は、この欄で浮かびます。

一時金0円のプランがなければ、一部前払いを選べるか聞く方法もあります。新たなプランや値引きが必ず出るわけではないので、無理のない初期費用を伝えて相談します。

出典: 厚生労働省 別紙様式 重要事項説明書

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について

重要事項説明書の前払金の欄と利用料金の欄で月払いの条件を読む

重要事項説明書は、契約前に取り寄せて読めます。国の標準指導指針は、相談時の交付や、契約前に十分な時間を取った説明を求めています。分からない費用を残したまま契約しないよう、早めに入手します。

月払いで入る人が見る欄は2つです。「前払金の受領」の欄には、算定根拠、想定居住期間(償却年月数)、償却の開始日、初期償却額、初期償却率、返還金の算定方法、前払金の保全先が並びます。「利用料金」の欄には、月額費用の合計と費目ごとの内訳、算定根拠、支払い方式、そして改定の条件と手続きが並びます。

月払いのみなら、利用料金の内訳・別途費用・改定条件を中心に読みます。一時金ありと比較する場合は、前払金の返還式も合わせて確認します。

見学に行く前に、この2つの欄を送ってもらいます。見学では施設の雰囲気に目が行くので、条件は先に紙で押さえます。

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について

出典: 厚生労働省 別紙様式 重要事項説明書

見積りは介護費と医療費を入れた総額で今と重度化後の2枚もらう

今の状態と、介護が増えた場合の2通りで、総額の見積りをもらいます。介護費・医療費・日用品などの見込みに加え、確定できない費用も示してもらいます。過去の料金改定と、今後の改定条件も聞きます。

紹介センターに頼む場合は、最初に「一時金なしで探しています」と伝えます。厚生労働省の資料に載る令和6年12月の調査では、紹介料の決め方は「ホームごとに介護度や医療必要度等を考慮して決めている」が47.9%、「ホームごとに自費部分(家賃、管理費等)の月額費用をベースに決めている」が30.5%で、1件あたりの平均額は約21.5万円でした。月額の高い施設ほど紹介料が上がる決め方が3割ほどあると分かった上で、条件を先に伝えます。

見積りの取り方と、入院や住み替えのときの費用まで含めた考え方は老人ホームの月額を四つに分け、重度化と入院に備えて三枚の見積りを用意する手順で扱っています。

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの現状と課題について

月払い方式で入るときの注意点

月払いで入る人が契約前に見ておく点は、利用料の改定、要介護度が上がったときの介護費、入居審査、支払い方式の変更の4つです。

利用料の改定条件と、値上がりした場合の家計を見る

月額15万円で入っても、家賃・管理費・食費などが改定される可能性があります。どの項目が改定対象かを確認します。

契約書と重要事項説明書の「利用料金の改定」の欄で、条件と手続きを確かめます。様式はこの2つを書く形になっていて、指針も改定のルールを入居契約書か管理規程に定め、改定するときは根拠を入居者に示すよう求めています。

上限額の記載がなくても、施設が自由にいくらでも値上げできるという意味ではありません。契約の条件と手続きを確認します。仮に月額全体が毎年3%上がれば、15万円は5年後に約17万4千円、10年後に約20万2千円。家計の余裕を点検するための例です。

過去の改定は今後の保証にはなりませんが、費用が動く可能性を考える材料になります。予算ぎりぎりなら、値上げ時の補い方も考えて契約します。

出典: 厚生労働省 別紙様式 重要事項説明書

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について

住宅型は必要な介護が増えた場合の費用を確認する

住宅型では、外部の介護サービスを使った分を払います。区分支給限度基準額は要介護1で月16,765単位、要介護3で27,048単位、要介護5で36,217単位です。1単位10円・1割負担なら、限度額の範囲内の自己負担はそれぞれ同じ数字の円になります。限度額を超えた対象サービスは全額自己負担で、一部の加算などは限度額と別に扱います。

表示月額15万円が変わらなくても、総額は要介護度とともに上がります。要介護1で月1万円ほどだった介護費が、要介護3で上限いっぱいまで使うと2万7千円ほどになる計算です。

介護付きは、介護度ごとの基本報酬が決まっています。30日・1単位10円・1割負担・加算なしなら、要介護1は16,260円、要介護5は24,390円で、差は8,130円です。実際には加算なども足すため、施設の見積りで比べます。

住宅型の一時金なしプランで入る人は、要介護3になったときの見積りを先にもらい、その額でも払えるか、払えないなら介護付きや特別養護老人ホームへ移る前提かを家族で決めておきます。

出典: 厚生労働省 居宅介護サービス費等区分支給限度基準額(平成12年厚生省告示第33号)

出典: 厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について

月払いを続けられるか、年金と不足分の補い方を示す

月払いでは、利用料を継続して払えるかを施設が確認します。必要書類は施設ごとに違いますが、年金額や預貯金、不足分を誰が補うかを説明できるようにします。身元引受人と支払いの保証人の役割も区別します。

身元引受人の権利と義務は、指針が入居契約書に明示するよう求める項目に入っています。誰が何を引き受けるのかを契約書で確かめてから、証明の書類を揃えます。

年金だけで足りなければ、月の不足額と貯金で補える期間を出します。家族が援助する場合も、無理なく続けられる金額を先に決めます。審査結果は施設の基準によります。

年金の振込額は通常2か月分なので、月の予算に直して比べます。通知書を紛失した場合は年金事務所やねんきんネットで再交付方法を確認します。必要日数も確認し、入居直前にならないよう準備します。

出典: 厚生労働省 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について

途中で一時金ありのプランへ変えられるかを契約書で確かめる

入居後に「やはり長く住みそうだから一時金ありに変えたい」となることがあります。プランの変更ができるかどうかは施設によって違うので、契約前に確かめます。

重要事項説明書の「選択方式」は支払い方式を選べることを示しますが、入居後も変更できる保証ではありません。変更できる時期、追加の前払金、すでに払った費用の扱いを契約書で確かめ、回答を書面で残します。

居室を住み替える場合の欄にも「前払金償却の調整の有無」があります。一般居室から介護居室へ移るときに償却がどう動くかは、この欄と契約書の条項で確かめます。

退去時は、敷金の返還、原状回復費、利用料の精算を確認します。国土交通省のガイドラインでは、通常の使用による傷みと、入居者の故意・過失による傷みを分けて考えます。

たとえば、年数がたって自然に古くなった部分と、不注意で壊した部分では負担の考え方が違います。契約の特約や入居時の状態も、写真などで確認しておきます。

経年変化と通常の使用による損耗の修繕は、貸主が負担するものとして整理されています。

出典: 厚生労働省 別紙様式 重要事項説明書

出典: 国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)

まとめ:一時金なしは多数派で、損得は何年住むかで決まります

一時金なしの月払いプランも選択肢になります。調査では前払金を徴収する施設は介護付き31.0%、住宅型7.0%、特定施設以外のサ高住3.4%でした。ただし、一時金がなくても敷金などが必要な場合があります。住宅型は月額15万円未満の候補を探しやすい一方、介護・医療などを足した総額で確認しましょう。

次の一歩は、候補の重要事項説明書を取り寄せ、同じ部屋のプランを比べることです。一時金の差を月額の差で割った目安だけでなく、3年・5年・10年などの期間ごとに、返金を引いた総額を出します。途中退去と料金改定も考えると、無理のない支払い方を選びやすくなります。

そのうえで確かめるのは、重要事項説明書の「前払金の受領」と「利用料金」の2つの欄、そして入居期間別の入居者数です。介護のあんしんでは、入居一時金なしの月払い方式と総額の比べ方も含めて、老人ホーム探しで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。