老人ホームで親にミトンや薬が使われたとき、同意書より先に求める記録

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シニアのあんしん相談室


※1999年創業の会社が運営する「シニアのあんしん相談室」よりサービス提供を受けております。

 

面会に行ったら親の手にミトンがはめられていた家族と、向精神薬が増えたと知った家族に向けた記事です。

家族の同意書だけでは、身体拘束を続ける根拠にはなりません。施設に、必要と判断した理由、ほかに試した方法、解除の予定と記録を確認します。意識がはっきりしない、呼吸がおかしいなど急な異変があれば、記録を待たずに医療対応を求めてください。

薬のときは、確かめ方が変わります。

次に当てはまる方には、別の記事を用意しています。

入居する前に断られた方は、入居の前の相談なので、市町村の介護保険の窓口も入口になります。退去を求められた方は契約の話です。有料老人ホームであれば、その指導監督を行う都道府県・指定都市・中核市が相談できる先の1つです。

身体拘束として例示されている11の行為

厚生労働省の「介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き」は、身体拘束をこう定義しています。

身体拘束とは、「本人の行動の自由を制限すること」です。

出典: 厚生労働省「介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き」(令和7年3月)

縛るかどうかではなく、自由を制限しているかどうかで見分けます。手引きが具体的な行為として挙げているのは、次の11です。

  1. 一人歩きしないように、車いすやいす、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る
  2. 転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る
  3. 自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む
  4. 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る
  5. 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、または皮膚をかきむしらないように、手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける
  6. 車いすやいすからずり落ちたり立ち上がったりしないように、Y字型拘束帯・腰ベルト・車いすテーブルをつける
  7. 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるようないすを使用する
  8. 脱衣やオムツはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる
  9. 他人への迷惑行為を防ぐために、ベッド等に体幹や四肢をひも等で縛る
  10. 行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる
  11. 自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する

ミトンは5番、車いすのベルトやテーブルは6番、自分で降りられないように囲む柵は3番です。器具の名前だけでなく、実際に本人の動きをどう制限しているかを見ます。「安全のため」という説明だけでは、例外の要件を満たしたことにはなりません。

手引きは、この11の行為があくまでも例示であって、ほかにも該当する行為があると書いています。

向精神薬を使うこと自体が身体拘束とは限りません。手引きの例は、行動を落ち着かせるために過剰に服用させる場合です。薬の必要性や量は家族だけで判断せず、処方した医師に確認します。

拘束の可否を決める運営基準と住まいの形

家族の同意と、施設が守る基準を分けて確認します。

まず、同意書は拘束を認める根拠にはなりません。手引きが、こう書いています。

また、家族への説明の確認は、同意ではないことに留意する。家族の同意は、身体拘束を認める根拠にはならない。

出典: 厚生労働省「介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き」(令和7年3月)

身体拘束は原則禁止です。例外は、生命や身体を守るために緊急やむを得ない場合で、三つの要件を慎重に確認する必要があります。

施設の運営基準は、人員・設備・運営のルールです。住まいや介護サービスの種類によって、適用される基準が異なります。

例外に当たるための手続きについて、手引きはこう書いています。

適正な手続きとは、「切迫性」「非代替性」「一時性」の三つの要件を満たすかどうかを組織等で話し合い、かつ、それらの要件の確認等の手続きを極めて慎重に行うことです。

出典: 厚生労働省「介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き」(令和7年3月)

記録があれば拘束が認められるわけではありません。三つの要件を実際に満たすか、いまも続ける必要があるかが重要です。記録は、その判断を確認する材料になります。

主な住まいと根拠を、次の4つに整理します。

住まいの形原則の禁止を定めたもの決まりの種類
特別養護老人ホーム指定介護老人福祉施設の基準 第11条第4項省令
介護老人保健施設介護老人保健施設の基準 第13条第4項省令
特定施設の指定を受けた有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅指定居宅サービス等の基準 第183条第4項省令
特定施設の指定を受けていない有料老人ホームと、有料老人ホームに当たるサービス付き高齢者向け住宅設置運営標準指導指針 9⑸通知

出典: e-Gov法令検索 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準

出典: e-Gov法令検索 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準

出典: e-Gov法令検索 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準

出典: 厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」

特別養護老人ホームのうち介護保険の指定を受けたものを、決まりの側では指定介護老人福祉施設と呼びます。

有料老人ホームとサ高住は、特定施設入居者生活介護の指定があるかで表の行が変わります。これは施設の介護に関する介護保険の指定で、一般に介護付きと呼ばれる住まいが該当します。

重要事項説明書で、特定施設の指定と提供する介護サービスを確認します。分からなければ施設へ「特定施設の指定はありますか」と聞き、介護サービス情報公表システムでも確認できます。 出典:厚生労働省:介護サービス情報公表システム。

サ高住は、食事の提供などにより有料老人ホームに該当する場合があります。指定がある場合は表の3行目、指定がなく有料老人ホームに該当する場合は4行目です。名称だけで判断しないようにします。

表の上3行は省令、4行目は国の標準指導指針です。自治体の条例や指針も確認が必要ですが、いずれも身体拘束を原則禁止とする考え方です。家族が条文を言い分けるより、実際の理由と代替方法を説明してもらうことを優先します。

説明書には、内容・目的・理由・時間帯・期間などが記録されます。家族への説明は大切ですが、署名があるだけで拘束を続けられるわけではありません。

手引きは、説明書や経過観察の記録を保存し、行政の確認時に提示できるようにすることも求めています。

説明の時点についても、手引きはこう書いています。

仮に、事前に身体拘束について施設としての考え方を本人や家族に説明し、理解を得ている場合であっても、実際に身体拘束を行う時点で、必ず個別に説明を行う。

出典: 厚生労働省「介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き」(令和7年3月)

入居のときに書いた同意書と、いま始まった拘束は別のものです。

身体拘束が例外的に認められる三つの要件

例外には、切迫性・非代替性・一時性の三つがすべて必要です。重大な危険が迫り、ほかの方法がなく、一時的な対応であることを確認します。

  • 要件1:切迫性
  • 要件2:非代替性
  • 要件3:一時性

三つは、そのまま施設へ聞く三つの問いになります。

国の手引きは、三つすべてを満たすケースは極めて少ないとしています。施設全体で慎重に判断し、必要がなくなれば解除することが求められます。

要件1:切迫性

手引きの定義はこうです。

本人または他の入所者(利用者)等の生命または身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと

「転ぶかもしれない」という一般的な心配だけでなく、本人にどの程度の危険が迫っているかを確認します。

拘束そのものの悪影響も考え、それでも必要と言えるほど危険が高いかを判断する必要があります。

施設へは、こう聞いてください。「拘束をしなかった場合に、どういう危険があると判断したのですか」

要件2:非代替性

同じ手引きの定義はこうです。

身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する方法がないこと

拘束を使わずに対応できる方法がないかを確認します。

施設がどんな方法を検討し、何を試して、なぜ難しかったのかを説明してもらいます。一人の職員だけでなく、組織として確認することが求められます。

例外的に行う場合も、本人への制限が最も少ない方法を選ぶ必要があります。

施設へは、こう聞いてください。「拘束をしない方法として、何を試しましたか」

要件3:一時性

三つ目の定義はこうです。

身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること

期限のない拘束は、この要件を満たしません。

開始と終了の予定、1日の中で行う時間帯、次に見直す時点を確認します。期限を決めただけでなく、その間も必要性を見直すことが大切です。

施設へは、こう聞いてください。「いつ解除する予定ですか。次に見直すのはいつですか」

要件を満たさなくなったら、予定日を待たずに解除する必要があります。安全に一時解除した際の様子も観察し、継続の必要性を検討します。家族だけで器具を外さず、職員と対応を確認してください。

どの状態になれば解除できるかを、本人・家族・職員などで共有しておきます。

家族が気づいた変化や希望も、見直しの材料として伝えます。

出典: 厚生労働省「介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き」(令和7年3月)

拘束のときに施設が残す記録

拘束そのものについて施設が残す記録は3種類です。

  • 記録1:拘束そのものの記録
  • 記録2:適正化を検討する委員会の議事録
  • 記録3:経過観察の記録

拘束の内容、判断の過程、その後の様子の3種類です。書類の名前や保存の根拠は異なります。別々の紙とは限らないので、知りたい内容を伝えて確認します。

記録1:拘束そのものの記録

特別養護老人ホームであれば、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準の第11条第5項がこう定めています。

指定介護老人福祉施設は、前項の身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。

確認するのは、何をどう使ったか、時間、本人の心身の状態、緊急やむを得ない理由の4点です。

住まいの形記録を定めた決まり決まりの種類保存の期間
特別養護老人ホーム指定介護老人福祉施設の基準 第11条第5項・第37条第2項第3号省令完結の日から2年間
介護老人保健施設介護老人保健施設の基準 第13条第5項・第38条第2項第4号省令完結の日から2年間
特定施設の指定を受けた有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅指定居宅サービス等の基準 第183条第5項・第191条の3第2項第3号省令完結の日から2年間
特定施設の指定を受けていない有料老人ホームと、有料老人ホームに当たるサービス付き高齢者向け住宅設置運営標準指導指針 9⑹・8⑶ニ通知2年間

表は国の基準を整理したものです。保存期間や「完結」の扱いは自治体の条例なども確認が必要なので、施設に保存と閲覧の方法を聞きます。

この4つの形に当てはまらない住まいにも、同じ定めがあります。

  • 介護医療院=介護医療院の基準の第16条第4項から第6項と、第42条第2項第4号
  • 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)=指定地域密着型サービスの基準の第97条第5項から第7項と、第107条第2項第3号
  • 養護老人ホーム=養護老人ホームの基準の第16条第4項から第6項と、第9条第2項第3号
  • 軽費老人ホーム=軽費老人ホームの基準の第17条第3項から第5項と、第9条第2項第3号

これらにも禁止・記録・適正化の規定があります。保存期間は国の基準に加えて自治体の規定も確かめます。

出典: e-Gov法令検索 介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準

出典: e-Gov法令検索 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準

出典: e-Gov法令検索 養護老人ホームの設備及び運営に関する基準

出典: e-Gov法令検索 軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準

特定施設の指定がない有料老人ホームでは、標準指導指針が帳簿の2年間保存を求めています。起算点や自治体の追加規定は施設に確認します。期間内だから必ず残っていると考えず、早めに保存と説明を求めます。

理由が「転倒のおそれ」だけでは、どの危険が迫り、ほかの方法がなぜ使えないかが分かりません。三つの要件をどう確認したか、具体的な説明を求めます。

記録2:適正化を検討する委員会の議事録

適正化の取り組みには、原則3か月に1回以上の委員会、指針の整備、職員研修があります。ただし、拘束の開始や解除の判断を定例会まで待ってよいという意味ではありません。

手引きは、この委員会の議事録についても作成・保存する必要があるとしています。記載する内容として挙げられているのは、次の4つです。

  • 開催日時・参加者・議題・議事概要
  • 拘束を行っている入居者の人数と、三つの要件の確認と判断理由と解除の是非
  • 拘束を開始する検討が必要な入居者についての、三つそれぞれの確認と判断理由(代替案の列挙を含む)
  • 緊急やむを得ないと判断した場合の、本人や家族や関係者との意見調整の進め方と、身体拘束開始日と解除予定日

説明が分からないときは、本人に関する検討内容や判断理由を確認したいと伝えます。他の入居者の情報も含むため、議事録全体をそのまま受け取れるとは限りません。該当部分の説明や写しを相談します。

記録3:経過観察の記録

経過観察の記録では、本人の状態、拘束中の変化、解除を試した際の様子、継続を見直した内容を確認します。

この記録に書かれているはずの中身も、手引きが挙げています。 挙げられているのは次の4つです。

  • 三つの要件それぞれについて、なぜ満たしていると判断したのかを具体的に記録しているか
  • 再検討を行うごとに逐次その記録を加えているか
  • 今後どのようなケアをすることによって改善するかを丁寧に記入しているか
  • 本人の状態や家族の意見についても記録しているか

手引きは、本人の状態や家族の意見も記録し、関係者で直近の情報を共有することを示しています。家族が見た様子も伝えてください。

出典: e-Gov法令検索 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準

出典: 厚生労働省「介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き」(令和7年3月)

家族がミトンや柵を求めたときの頼み方

家族の側から器具を使ってほしいと頼む場合も、可否の決まり方は同じです。

腕を掻きむしるので、ミトンを使ってほしいと頼みたくなることがあると思います。ベッドから落ちそうなので、柵で囲んでほしいと伝えたくなる場面もあるでしょう。家族が希望しても、三つの要件を満たさなければ施設は行えません。

「掻き壊しを防ぐ方法を一緒に考えてほしい」と、困っていることを伝えます。かゆみや痛みなどの原因を確認し、器具を使わない対応を職員や医師と検討します。

手引きには、点滴が視界に入りにくい配置や、かゆみに配慮したガーゼの工夫などが紹介されています。本人に合う方法は医療・介護の専門職が判断します。施設内で難しい場合は外部の専門職への相談も検討してもらいます。

何を試し、その後どう変わったかを記録してもらいます。傷やかゆみが続く場合は、記録だけでなく診察やケアの見直しも相談します。

出典: 厚生労働省「介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き」(令和7年3月)

向精神薬が増えたときに聞く相手と記録

薬のときは、聞く相手が医師と施設の2つに分かれます。

薬の目的や量の見直しは、処方した医師へ相談します。家族の判断だけで減量・中止せず、服用後の変化を伝えてください。強い眠気やふらつきが出た場合も、早めに医師・看護師へ連絡します。

出典: e-Gov法令検索 医師法

その医師がどこにいるかは、住まいの形で変わります。

住まいの形薬について聞く相手根拠
特別養護老人ホーム配置医師や処方した医師(非常勤の場合もある)指定介護老人福祉施設の基準 第2条第1号
介護老人保健施設施設の中にいる医師介護老人保健施設の基準 第2条第1号
特定施設の指定を受けた有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅外の主治医か協力医療機関の医師指定居宅サービス等の基準 第175条に医師が入っていない
特定施設の指定を受けていない有料老人ホームと、有料老人ホームに当たるサービス付き高齢者向け住宅外の主治医か協力医療機関の医師設置運営標準指導指針 9⑼(協力する医療機関の取り決め)

特養の配置医師は非常勤の場合もあり、常に施設内にいるとは限りません。住まいの種類にかかわらず、まず処方した医師と連絡方法を施設に確認します。 出典:厚生労働省:高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編)。

出典: e-Gov法令検索 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準

出典: e-Gov法令検索 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準

出典: e-Gov法令検索 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準

出典: 厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」

薬が増えた理由と、効果・副作用をいつ見直すかを聞きます。家族が気づいた眠気、食事量、歩き方などの変化も伝えると、医師の判断材料になります。

医師へ聞くのは4つです。

  • 薬の名前と目的
  • いつから始まったのか(いつ増えたのか)
  • 次にいつ効果を評価するのか
  • 減らす方針はあるのか

施設には、服薬の記録と日々の様子を確認したいと伝えます。書類名にこだわらず、薬を変えた日と、その前後の状態を見たいと具体的に頼みます。

特養・老健・特定施設の運営基準は、提供した具体的なサービス内容などの記録を求めています。身体拘束の記録とは記録項目が異なりますが、必ず別の書類に分かれるわけではありません。

特定施設の指定がない有料老人ホームも、標準指導指針でサービス内容の記録が求められます。本人の服薬や様子をどこに記録しているか、施設に確認します。

薬の前後の変化が十分に残っていなければ、今後、眠気・食事量・歩行などを記録して医師へ共有してもらいます。記録がないことだけで薬の適否は判断せず、本人の診察と合わせて見直します。

「薬の変更後に昼間の眠気が増えています。処方医に確認し、日々の様子も共有してもらえますか」と、変化と依頼を一緒に伝えます。

施設が説明しないときの相談先

施設の説明で解決しない場合や、不適切な拘束が疑われる場合は、市町村の高齢者虐待相談窓口へ相談します。証拠がそろうまで待つ必要はありません。

手引きは、「緊急やむを得ない場合」の適正な手続きを経ていない身体的拘束等が、原則として養介護施設従事者等による高齢者虐待に該当する行為とされていると書いています。「手続きを経ていない場合」であって、拘束があること自体ではありません。

高齢者虐待防止法は、虐待を受けたと思われる高齢者を発見し、生命・身体に重大な危険がある場合、市町村への速やかな通報を義務づけています。それ以外も通報に努めるとしています。家族も相談・通報できます。

同じ法律の第2条第5項第1号は、養介護施設として老人福祉施設と老人福祉法第29条第1項の有料老人ホームと介護保険施設を挙げています。有料老人ホームに当たる住まいは、この中に入ります。

相談するときは、いつ、何が行われ、本人がどんな状態かを伝えます。施設の説明と、家族が直接見たことを分けてメモしておくと伝わりやすくなります。

出典: e-Gov法令検索 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律

有料老人ホームについては、都道府県・指定都市・中核市も相談先になります。老人福祉法第29条第13項が、都道府県知事による報告の求めと、立ち入って帳簿書類を検査することを定めています。

出典: e-Gov法令検索 老人福祉法

行政への相談と、施設への記録の確認は並行できます。記録の入手が難しいことも相談してください。

急ぐかどうかは書類の保存期間ではなく、本人の安全で判断します。呼びかけへの反応が乏しい、呼吸の異常などがあれば、すぐに職員へ医療対応を求め、緊急時は119番へ連絡します。

緊急性がなくても、拘束の理由や解除予定が分からない状態を放置しないようにします。記録の保存を依頼し、説明を受ける日を決めます。

今日のうちに施設へ求める記録

拘束が続いてよいかどうかを決めているのは、家族が署名した同意書ではありません。三つの要件を実際に満たしているかどうかです。そして、それを後から確かめられる形で残っているのは、施設の記録です。

施設へ、拘束の方法・時間・本人の状態・緊急やむを得ない理由と、解除に向けた見直しを確認します。記録を求めることと、本人の安全を守る対応を並行して進めてください。

説明が十分でなければ、本人についての検討内容や経過観察の記録も確認します。説明を待てない危険がある場合や、不適切な拘束が疑われる場合は、医療機関や市町村へ相談します。

介護のあんしんは、介護施設を運営している事業者ではありません。だから、施設の側からは言いにくいことについても、決まりの側から書けます。