老人ホームの費用が払えないとどうなる?退去までの流れと残る手、転居の決め方

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※1999年創業の会社が運営する「シニアのあんしん相談室」よりサービス提供を受けております。

 

親の年金と貯金でまかなってきた老人ホームの月額が、そろそろ続かなくなってきました。

施設に「払えない」と伝えるのは気が重いものですが、滞納する前に相談することが大切です。退去の条件と、家族が保証人として負う責任は、まず契約書で確認します。

今の施設で費用を下げられるか、使える制度はあるか、転居が必要か。契約書と請求書を用意し、施設や市町村への相談を進めます。

老人ホームの費用が払えないと起きる流れ

老人ホームの費用が払えないと分かっても、退去はいくつもの段階を経た先にあります。

契約解除の条件や予告期間は契約書で確認します。支払いの相談にどこまで応じられるかは施設によって違うため、早めに連絡します。

段階起きること家族がすること
滞納が始まる施設から本人や連絡先へ連絡。保証人への請求は契約による払えない事情と月にいくら足りないかを施設へ伝える
3か月分以上の滞納標準入居契約書では施設からの解除の事由に当たる部屋替え・分割・制度・転居のどれで埋めるかを決める
解除の通告予告期間を置いた通告。通告に先立ち弁明の機会が設けられる契約条件を確認し、住まいを失わないよう転居先と支払いを相談する
予告期間の満了契約の終了と居室の明け渡し転居先と生活保護の要件を確かめる

滞納から契約解除までは予告期間を挟んだ段階で進む

全国有料老人ホーム協会の標準契約書では、正当な理由なく利用料を3か月以上滞納したことなどに加え、契約を続けることが社会通念上難しい場合を解除の条件としています。ただし、これは標準書式の説明で、すべての施設に同じ月数が適用されるわけではありません。

同協会は、解除の予告、本人や身元引受人が事情を説明する機会、移転先の確認や確保への協力などの手続きを示しています。自分の契約にある条件と手続きを読み、「まだ3か月ではないから大丈夫」と放置しないようにします。

契約の終了と、実際の退去は別の問題です。退去を求められて話し合いが難しいときは、市町村の相談窓口や弁護士などに相談します。施設が一方的に荷物を出すなどの対応を受けた場合も、早急に相談が必要です。

まず手元の契約書で、滞納の条項に書かれた月数と、解除の予告期間の日数を確かめておきましょう。

出典: 全国有料老人ホーム協会 【契約・解約】月額利用料の滞納について

家族の保証責任は、役割と極度額を契約で確認する

身元引受人という名前だけで、未払い分をすべて払う義務が決まるわけではありません。連絡先としての役割と、連帯保証などの支払い責任を分けて契約書で確認します。

2020年4月1日以降に結ぶ個人の根保証契約では、責任の上限である「極度額」を定めなければ効力を生じません。継続して発生する施設費用を家族が保証する契約も該当する場合があります。契約日や更新の扱いで判断が変わるため、古い契約も一律に無効とは考えません。

全国有料老人ホーム協会は、極度額を「月額利用料の6か月分」とだけ書いた場合について、将来利用料が変わる可能性があって契約の時点で額が確定していないため、その保証の条項は無効になるという見解を示しています。月額利用料が具体的な金額で書かれていて6か月分を計算できるなら、極度額がはっきりしているとして有効になる可能性があるとも説明しています。

極度額は保証の上限で、本人の未払い債務が消える額ではありません。家族が共同契約者になっている場合などは別の責任も考えられるため、不明点は契約書を持って専門家に確認します。

出典: e-Gov法令検索 民法(明治29年法律第89号)第465条の2全国有料老人ホーム協会 連帯保証人の「極度額」の表記について

不足額を伝え、支払い方や部屋の変更を相談する

払えない見込みが立った時点で、施設の相談員や施設長に連絡します。滞納後より、支払い計画や利用する部屋を相談する時間を確保できます。

相談するのは、家賃の低い部屋への移動、支払日の変更、不要な自費サービスの見直し、分割払いなどです。対応が保証されるわけではありませんが、不足額を具体的に伝えると検討しやすくなります。

相談を交渉として成り立たせるために、こちら側で用意しておきたいのが「月にいくら足りないか」という数字です。年金の月額と貯金の残高から、毎月の不足額を出しておきましょう。「3万円足りない」と伝えれば、施設は部屋替えで埋まるか、支払い方の変更で足りるかを具体的に検討できます。

相談の相手は、施設の生活相談員か施設長です。ケアマネジャーにも同じ数字を伝えておくと、外部サービスの見直しを並行して進められます。

施設に居ながら月額を下げる方法

今の施設に残ったまま月額を下げる手は、家賃、サービス、支払い方の3つに分かれます。

介護保険の報酬は公的な基準で計算され、通常の値引き交渉とは別です。外部サービスの利用内容を見直す場合も、必要な介護を保てるかをケアマネジャーと確認します。

費目下げる手誰に頼むか
家賃・管理費家賃の低い居室への部屋替え施設の相談員・施設長
自費サービス必要な生活支援を残して、任意の追加サービスを見直す施設の相談員
外部サービスの自己負担訪問介護・デイサービスの回数の見直し(住宅型・サ高住)ケアマネジャー
支払い方引き落とし日の変更・分割施設の事務
収入の側年金の上乗せ給付・未請求の年金・資産の活用年金事務所・社会福祉協議会

家賃の低い居室への部屋替えを施設に申し出る

同じ施設の中でも、居室によって家賃は違います。広さ、階数、窓の向き、角部屋かどうかで差がつきます。多床室や2人部屋を持つ施設なら、その差はさらに大きくなります。

部屋ごとの家賃、管理費、移動にかかる費用を出してもらいます。同じ施設でも、部屋替えでどの費目が変わるかは料金プラン次第です。

希望する部屋に空きがなければ、空いたときに連絡をもらえるか確認します。同時に、今の支払いをいつまで続けられるかも伝え、待つだけにならないようにします。

引っ越しは建物の中なので、荷物の移動も本人の環境の変化も小さく済みます。認知症のある方は部屋の変化で混乱することがあるので、移る前に職員と手順を決めておきましょう。

自費サービスと外部サービスの回数を見直す

請求書から、自費の買い物代行、洗濯、理美容、通院付き添いなどを確認します。定額のものと、使った回数に応じるものを分けると見直しやすくなります。

利用していないオプションは解約できるか聞きます。家族が代わる場合も、時間や交通費を含めて無理なく続けられるかを考えます。本人に必要な支援は残します。

住宅型などで外部の介護サービスを使う場合は、ケアプランを担当者と確認します。重複や不要なサービスがないかを点検し、本人の安全や生活を損なう減らし方は避けます。

介護付き有料老人ホームの介護費は、特定施設入居者生活介護として要介護度ごとの定額に、施設の体制で決まる加算が乗る形です。この加算は施設全体の体制で決まるため、個人の希望で外せる余地は小さくなります。

出典: e-Gov法令検索 介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第11項

支払い日の変更と分割を月ごとの計画で相談する

年金は原則として偶数月の15日に、その前月までの2か月分がまとめて振り込まれます。15日が土日祝日のときは、その直前の平日が支払日です。施設の引き落とし日が月初や月末に固定されていると、年金が入る前に残高が足りず、引き落としだけが失敗することがあります。

まず確かめたいのは、この「タイミングのずれ」で滞納になっていないかです。引き落とし日を年金の支給日の後に変えるだけで解決する場合があります。

一時的な不足なら、いつ・いくら払えるかを示して分割を相談します。毎月の赤字が続く場合は分割だけでは解決しないため、費用の軽減や転居の相談も並行します。

一時金を前払いして入居した方は、支払い方式の変更ができるかも聞いてみましょう。方式の変更ができるかどうかは契約によって違うので、契約書の利用料の支払い方式の条項を見たうえで相談します。

出典: 日本年金機構 年金はいつ支払われますか。

年金の上乗せ給付と資産の活用で収入の側を増やす

支出を下げる手と並行して、収入の側に受け取り漏れが無いかを確かめます。

老齢年金生活者支援給付金は、65歳以上で老齢基礎年金を受けていること、世帯の全員が市町村民税非課税であること、前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計額が一定額以下であることの3つを満たす方に、年金に上乗せして支給される給付金です。請求書を出して初めて支給されるので、対象なのに請求していない方がいます。日本年金機構から届く請求書か、年金事務所で手続きします。

未請求の年金や企業年金、保険の契約も確認します。保険を解約する場合は、受け取れる額だけでなく、失う保障も保険会社に説明してもらいます。

不動産の売却を検討する場合は、本人の意思と手続きの権限を確認します。社会福祉協議会の不動産担保型生活資金は、原則としてその不動産に住み続けるための制度で、空いた自宅を担保に施設費用を借りられるとは限りません。入居後も使える前提で資金計画を立てず、窓口で条件を確認します。

出典: 日本年金機構 老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要

出典: 厚生労働省 生活福祉資金貸付条件等一覧

減免と高額介護サービス費と世帯分離が使えるかの見分け方

制度によって、軽くなる費目と対象となる施設が違います。

有料老人ホームでも高額介護サービス費や自治体独自の助成を使える場合があります。一方、食費・居住費の補足給付は有料老人ホームの月額には使えません。世帯の所得だけでなく、制度ごとに配偶者や資産の条件も確認します。

制度対象の住まい使える条件
高額介護サービス費すべての住まい1か月の介護保険の自己負担が所得区分の上限を超えたとき
負担限度額認定(減免)特養・老健・介護医療院・地域密着型特養・ショートステイ世帯・配偶者の課税状況、収入・預貯金等の条件を満たすとき
社会福祉法人の軽減社会福祉法人が運営する対象サービス住民税非課税で生計が困難と認められたとき
世帯分離すべての住まい生計の実態に合う届出か、家計全体の負担も含め自治体へ相談
自治体独自の助成市町村が定める住まい市町村ごとの条件

制度の額と申請の細かい手順は、老人ホームの費用が払えない?負担を下げる制度と確かめ方にまとめています。

高額介護サービス費は対象の自己負担が上限を超えた分を申請する

高額介護サービス費は、介護保険の対象の自己負担が月の上限を超えたときに、申請で超過分が戻る制度です。上限は一般的な課税世帯で44,400円、高所得世帯では93,000円または140,100円、非課税世帯では24,600円など。非課税世帯の一定の低所得者などは個人15,000円です。自分に適用される区分を市町村で確認します。

介護付きの介護費や、住宅型・サ高住で利用する訪問介護なども対象になります。ただし、食費・家賃、日用品、保険外サービスなどは対象外です。施設への請求額全体に上限が付くわけではありません。

令和8年8月1日から、非課税世帯の中で上限が15,000円になる区分の基準額が、80.9万円から82.65万円へ引き上げられました。令和7年の老齢基礎年金の満額が80.9万円を超えたことを受けた改正です。区分の境目にいる方は、市町村の介護保険課で自分の区分を確かめましょう。

京都市は、利用月のおよそ3か月後に案内し、原則として初回の申請後は登録口座へ支給すると案内しています。時期や手続きは自治体で確認します。払い戻しまで立て替えが必要なことも、家計に織り込みます。

出典: e-Gov法令検索 介護保険法施行令(平成10年政令第412号)第22条の2の2厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1516

出典: 京都市 高額介護サービス費(利用者負担が高額になったとき)

減免の負担限度額認定は介護保険施設だけに使える

食費と居住費を下げる負担限度額認定は、世帯全員と別世帯の配偶者の課税状況、年金などの収入、預貯金等を確認する制度です。「減免」という言葉だけでは制度を特定できないため、正式名称と対象費目を聞きます。

介護保険法51条の3は、この制度の対象を、指定介護福祉施設サービス(特養)、介護保健施設サービス(老健)、介護医療院サービス、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、短期入所生活介護、短期入所療養介護の6つに限っています。有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームはこの6つの外です。有料老人ホームの家賃と食費は施設が決める料金なので、介護保険の仕組みで下げる対象から外れています。

社会福祉法人による利用者負担の軽減も、対象は社会福祉法人が運営する特養、通所介護、訪問介護、短期入所生活介護などで、特定施設入居者生活介護は対象の一覧の外にあります。

有料老人ホームの家賃・食費が補足給付で下がるわけではありません。ただし、外部で使う対象サービスや自治体の助成などは別に確認できます。特養への転居を検討する場合も、認定後の総額で比較します。

出典: e-Gov法令検索 介護保険法(平成9年法律第123号)第51条の3横浜市 社会福祉法人による利用者負担軽減について

世帯や住民票の変更は、生活実態と制度への影響を確認する

高額介護サービス費は世帯の課税状況などで上限が変わります。一方、介護の負担割合は本人所得と同一世帯の65歳以上の方の収入などで判定され、子の所得がそのまま割合を上げるわけではありません。制度を分けて確認します。

世帯分離は、同じ住所のまま住民票の世帯を分ける届出です。横浜市の場合、世帯変更届として変更を生じた日から14日以内に区役所へ出す形になっています。老人ホームに入居して住民票を施設の住所へ移す場合は、転出と転入(同じ市町村の中なら転居)の届出になり、施設の住所で本人の世帯を作る形になります。世帯の作り方は市町村の窓口で先に確かめておきましょう。

住所地特例の対象施設なら、別の市区町村へ転居しても介護保険は元の市町村が担当します。ただし、地域密着型など対象外の施設もあります。候補施設が対象かを両方の市町村で確認します。

住民票や世帯は生活の実態に沿って届け出るもので、費用軽減のために必ず世帯分離すればよいわけではありません。保険料や助成への影響、補足給付では別世帯の配偶者も確認されることなどを窓口で聞きます。税の扶養控除は住民票の世帯だけでは決まりません。

出典: 横浜市 介護保険の住所地特例とは何ですか。横浜市 世帯変更届(世帯主の変更、世帯の分離、合併等)

自治体独自の助成は介護保険課で有料老人ホーム向けを聞く

介護保険の制度とは別に、市町村が独自に設けている助成があります。紙おむつの支給やおむつ代の助成、低所得の方への介護サービス利用料の助成などです。横浜市は市の制度として介護サービス自己負担助成を設けています。内容も条件も市町村ごとに違い、有料老人ホームの入居者が使えるかどうかも市町村で分かれます。

市町村に、施設の種類・本人の所得・困っている費用を伝え、使える助成を聞きます。介護保険課で扱わない制度は、担当窓口を案内してもらいます。

転居すると助成の対象や担当が変わる場合があります。住所地特例があっても独自助成まで引き継がれるとは限らないので、転居前に両方の市町村へ確認します。

出典: 横浜市 介護サービスの利用者負担軽減について

家族が差額を払うときの決め方

年金と貯金で足りない分を、子が毎月払うかどうかは、多くの家族が悩む場面です。

先に知っておきたいのは、子が払う義務は自分の生活を保った上での余力の範囲だと解されていることと、払うなら「期限」と「記録」を決めてから払うことです。

払う前に1枚に書き出す親の資産

預貯金の残高(通帳ごと)・年金の月額・生命保険の解約返戻金・自宅や土地の評価額・有価証券・毎月の施設の請求額・毎月の医療費とおむつ代

子の扶養義務は自分の生活を保った余力の範囲に限られる

民法877条は、直系血族と兄弟姉妹は互いに扶養する義務があると定めています。子が親を扶養する義務はここから生まれます。

親への扶養は、一般に自分と家族の生活を維持したうえでの余力などを考えて判断されます。ただし、具体的な負担は親の必要額や子の資力などによります。また、施設との保証契約による責任は別なので、扶養義務の説明だけで支払いを断定しません。

きょうだいの間で誰がどれだけ払うかがまとまらないときは、民法879条で、扶養権利者の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して家庭裁判所が扶養の程度や方法を定めると決まっています。話し合いがつかなければ、家庭裁判所の調停という道があります。

家族の生活費や教育費、療養費も考え、無理なく出せる上限を整理します。話し合いが難しい場合は、弁護士や家庭裁判所の手続きについて相談します。

出典: e-Gov法令検索 民法(明治29年法律第89号)第877条・第879条

払う前に親の資産を1枚に書き出して何か月もつかを出す

親の同意や適切な権限のもと、預貯金、年金、保険、不動産と、毎月の支出を書き出します。不動産の固定資産税評価額は売れる価格とは違うため、そのまま現金として計算しないようにします。

仮に月3万円不足し、生活費に使える貯金が180万円なら単純計算で60か月です。入院や引っ越しの予備費、利用料の改定を考え、余裕を持って見直します。

この計算は、援助を始める時期や制度を相談する時期の目安になります。計算どおりに入所や助成が決まるわけではないため、資金が尽きる前に動きます。

親の口座からお金を動かせるのは、原則として親本人です。判断力が落ちている場合は、金融機関の代理人の届出や成年後見の制度が要るので、資産の書き出しと同時に、誰が口座を管理するかも決めておきましょう。きょうだいの分担の決め方は親の介護をきょうだいで分担するにはで扱っています。

返してもらう支払いか、援助かを分けて記録する

子が払う場合、その払い方は「立替」と「贈与」のどちらかです。立替は、後で親の資産から返してもらう前提の支払いです。贈与は、返してもらわない前提の支払いです。どちらにするかを先に決め、きょうだいにも伝えておきます。

返してもらう約束があるなら、親との合意内容と、請求書・領収書・振込明細を残します。記録があるだけで相続時に自動的に返るわけではありません。金額が大きい場合や親の判断能力が低下している場合は、支払う前に専門家へ相談します。

贈与にする場合、相続税法21条の3第1項2号は、扶養義務者相互間で生活費または教育費に充てるためにした贈与のうち通常必要と認められるものを、贈与税の課税価格に算入しないと定めています。国税庁は、この非課税になるものを「生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのもの」に限ると説明しており、受け取ったお金を預金したり投資に充てたりした場合は贈与税がかかるとしています。親の施設費用は、毎月の請求に合わせて払う形にしましょう。

出典: e-Gov法令検索 相続税法(昭和25年法律第73号)第21条の3国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合

転居と生活保護を選ぶ判断基準

今の施設での見直しと家族の援助でも足りない場合は、転居や生活保護も含めて相談します。

生活保護の相談は、貯金がなくなってからでなくてもできます。今の施設に残れるかを福祉事務所と施設に確認し、難しい場合は転居先も相談します。

選択肢決め手誰に相談するか
家賃の低い施設へ転居月額の差×残る期間が、転居費用から前払金の返還額を引いた額を上回るか施設の相談員・ケアマネジャー
特養へ転居要介護3以上で、食費と居住費の減免の対象になるかケアマネジャー・市町村の介護保険課
今の施設で生活保護家賃や生活費、必要な介護を含め、認められる扶助と収入で賄えるか福祉事務所
生活保護で別の施設へ上の条件に合う施設があるか福祉事務所のケースワーカー

転居は月額の差と残る期間と前払金の返還額を並べて決める

これから払う総額を、今の施設に残る場合と転居する場合で比べます。転居側には引っ越し、新施設の初期費用、二重払いの期間を足し、今の施設から戻る前払金を引きます。すでに支払って戻らない分を、転居の費用として二重に足さないようにします。

前払金の返還額は契約の式で確認します。入居後3か月以内の解約・死亡では、原則として実際に利用した日数分の家賃等を差し引くルールがあります。その後も想定居住期間内なら未経過期間に応じた返還があるため、退去予定日を伝えて金額を書面で出してもらいます。

同じ指針は、解約の予告期間を長く設定して3か月の返還の決まりを事実上短くし、入居者の利益を不当に害してはならないとも定めています。予告期間が長い契約書は、この点を施設に確かめる材料になります。

月額が3万円下がり、5年間住むと仮定すると、今後の月額差は180万円です。新しい施設の初期費用や引っ越し費用、今の契約から戻る前払金などを含め、残る場合と移る場合の今後の支出を比べます。すでに支払い、どちらを選んでも戻らない費用を、転居時の追加費用として二重に足さないようにします。費用だけでなく、本人の負担や必要な介護も確認します。 関連:月々の予算で視野に入る老人ホーム

出典: e-Gov法令検索 老人福祉法施行規則(昭和38年厚生省令第28号)第21条厚生労働省 有料老人ホーム設置運営標準指導指針

転居先と日程を確かめてから解約を申し入れる

先に転居先の受け入れと日程を確かめ、今の契約の予告期間に合わせて解約します。協会の標準契約書では原則30日前の書面通知という説明がありますが、実際の契約で確認します。転居先がないまま解約を先行しないようにします。

協会は、入居日から3か月以内の解約については予告期間を置かずに解約できる規定があることも示しています。入居して間もない時期に費用の見通しが崩れた場合は、この規定の有無を先に確かめる価値があります。

次の施設には、今後の支払いを続けられる見通しを伝えます。滞納がある場合も隠さず、現在の施設と精算方法を相談し、新しい施設で同じ不足が起きない予算を組みます。

解約を申し入れてから退去日までの家賃は、当然ながら発生します。転居先の入居日と今の施設の退去日を近づけ、二重に家賃を払う期間を短くしましょう。滞納が既に始まっている場合は、滞納分の精算の方法も解約の申し入れと同時に施設と決めます。

出典: 全国有料老人ホーム協会 【契約・解約】解約の申し入れ方法について

生活保護で今の施設に残れるか、総額と受け入れ条件を相談する

生活保護は、資産と収入が最低生活費を下回るときに、その差額を支給する制度です。生活保護法11条は保護の種類を生活扶助・住宅扶助・介護扶助など8つと定めており、老人ホームに入居していても、要件を満たせば受給できます。

家賃が住宅扶助の範囲に収まるかに加え、食費・管理費・日用品などを含めて生活できるか、施設と介護事業所が対応できるかを確認します。家賃だけで決まるわけではありません。部屋替えや料金プランの相談ができる場合もあります。

認められた介護サービス費は、収入認定などを踏まえて介護扶助で扱われます。食費や日用品なども含め、何をどの扶助で賄うかを福祉事務所に確認します。資産の活用には条件があるため、自己判断で処分や契約を進めないようにします。

要件に当てはまるかどうかは、住んでいる市町村の福祉事務所で、施設の料金表を持って相談します。申請の手順は老人ホームの費用が続かないとき、滞納する前に家族が動き始める時期で、生活保護で受け入れる施設の探し方は生活保護で有料老人ホームを探す手順で扱っています。

出典: e-Gov法令検索 生活保護法(昭和25年法律第144号)第11条

まとめ:滞納前に相談し、契約と軽減制度を確かめる

老人ホームの費用が続かないと分かったら、滞納の月数にかかわらず早めに相談します。退去の条件は契約ごとに違い、身元引受人というだけで家族の責任も決まりません。契約書を確認し、支払いの見直しや制度の相談を並行して進めます。

年金の月額と使える貯金から、不足額を出して施設の相談員に伝えます。正確な額がまだ分からなくても相談を先延ばしにせず、請求書を見ながら一緒に整理しましょう。

確かめる順番は、手元の入居契約書の滞納の条項・解除の予告期間・極度額・解約の予告期間の4か所を読み、市町村の介護保険課で高額介護サービス費の所得区分を聞き、住民票と世帯の扱いを窓口で確かめる形です。介護のあんしんでは、老人ホームの費用が払えないときに何が起きて何が使えるかも含めて、老人ホーム探しで悩むあなたに信頼できる情報を提供しています。