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認知症の親が介護施設に何度も断られたあとで、精神科への入院をすすめられ、いま同意書を手元にしている家族に向けた記事です。
この署名で家族が決めているのは、入院するかどうかではありません。決めておくのは退院した後にどこで暮らすかで、それを入院した日のうちに病院の担当者と担当のケアマネジャーへ伝えます。
当てはまらない場合は、一般の病床にいる方と生活保護を受けている方に向けた記事を用意しています。
医療保護入院を決めるのは精神科病院の管理者で、家族ではありません。家族の署名は、その決定を成立させるために法律が求めている書類です。
同意書に書かれている医療保護入院は、本人の同意がなくても入院させられる形の入院です。
精神保健福祉法第33条第1項は、この入院の要件を2つ挙げています。精神保健指定医(厚生労働大臣の指定を受けた精神科の医師)が診察して入院が必要と判定することと、家族等のうちいずれかの者が同意することです。
この2つが満たされれば、本人の同意がなくても入院させることができます。
家族等には、親の子どもが入ります。法律が挙げているのは配偶者・親権を行う者・扶養義務者・後見人または保佐人で、子どもは民法で扶養の義務を負う立場にあたるためです。
家族に求められているのは、医師と管理者の判断に同意するかどうかの意思表示です。 本人に代わって同意したことにはなりません。
出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
決定ではないなら、あとから取り消せるのでしょうか。
同意を撤回して退院させる手続きは、法律にも省令にもありません。署名で入院は始まるのに、署名を取り消しても入院は終わりません。
同意書を渡される場で説明されるのは、入院が始まることまでです。
では、いつ終わるのでしょうか。終わりは放っておいて来るものではなく、入院期間の区切りごとに来ます。
入院期間に上限がついたのは、2024年(令和6年)4月1日からです。施行規則第15条の6は、その期間を次のように定めています。
当該医療保護入院から六月を経過するまでの間は三月とし、六月を経過した後は六月とする
出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則
最初の区切りは3か月です。 家族が退院の時期を口にするときは、まずこの区切りが目安になります。
期間を延ばすには3つが要ります。指定医が改めて診察すること、医療保護入院者退院支援委員会で審議されること、家族等が同意することです(同法第33条第6項)。
放っておいて入院が続くのではなく、手続きを経なければ続きません。
署名を取り消せなくても、家族から使える方法は残っています。この記事の後半で3つとも扱います。
では、その区切りが来たとき、親はどこで暮らすのでしょうか。
精神科の病床を出た人のうち、アルツハイマー病型認知症を主な診断とする人が家に戻った割合は13.7%です。 いちばん多かった退院先は介護施設で33.7%でした。
入る前に断られ続けた当の介護施設が、いちばん多い退院先になっています。
国立精神・神経医療研究センターがまとめている精神保健福祉資料(630調査)の集計です。数えているのは2025年(令和7年)6月の1か月間に精神科の病床から退院した人で、1年分をまとめてはいません。
アルツハイマー病型認知症を主な診断とする退院者は4,228人、診断で切らない全体では30,268人でした。
| 退院先 | アルツハイマー病型認知症 | 75歳以上(全診断) | 全診断 |
|---|---|---|---|
| 在宅 | 13.7% | 22.6% | 52.8% |
| 介護施設 | 33.7% | 29.2% | 12.3% |
| 死亡 | 24.4% | 20.4% | 8.3% |
| 退院した人の数 | 4,228人 | 10,092人 | 30,268人 |
この表の介護施設に、グループホームは入っていません。 調査ではグループホームを別に数えているためです。
真ん中の列は、診断で切らずに年齢だけで切った数字です。死亡24.4%を全診断の8.3%と直接比べてはいけないことが、この列から分かります。
同じ75歳以上10,092人の中では死亡は20.4%です。死亡の割合が高いことの大半は、入院している人の年齢で説明できます。
家へ戻る割合のほうは、年齢を同じにしても違いが残ります。13.7%に対して75歳以上で22.6%、全診断で52.8%です。
退院先が入院前の暮らしと変わるという見立ては、年齢の違いを差し引いても成り立ちます。
同じ調査で、ある1日に入院している人を数えると、アルツハイマー病型認知症の43,595人のうち1年以上入院している人が49.6%でした。早く出る人もいますが、長くなる人はかなり長くなります。
出典:国立精神・神経医療研究センター 精神保健福祉資料(630調査)
では、退院した後にどこで暮らすかは、誰が決めるのでしょうか。
入院した日に家族が伝えることは2つだけです。いつごろの退院を目指すかと、退院した後にどこで暮らしたいかです。
いつごろについては、入院期間の最初の区切りである3か月に合わせて伝えます。
伝える相手は3か所あります。
3か所とも同じ2つを伝えます。上の2つは入院した日のうちに、相談員は遅くとも1週間以内に連絡します。
署名した日から遅くとも1週間以内に、退院後生活環境相談員が誰かを聞いてください。名前と連絡の取り方を控えます。
病院は、入院した日から7日以内にこの相談員を選任しなければなりません(精神保健福祉法第29条の6を第33条の4で準用、施行規則第15条の3)。
条文は、相談員の仕事を次のように書いています。
入院者及びその家族等からの相談に応じさせ、及びこれらの者に対する必要な情報の提供、助言その他の援助を行わせなければならない
出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律/同法施行規則
家族の相談に応じることは、病院の義務です。
相談員は家族が頼まなくても選ばれますが、誰が担当かを知らないままでは、家族から相談を持ちかけられません。
次の相談先や施設の紹介についても定めがあります。同法第29条の7が定めているのは、本人「又はその家族等から求めがあつた場合」の紹介の義務です。
紹介は求めなければ始まりません。
紹介先になる事業者と施設は、省令が挙げています(施行規則第15条の5)。ケアマネジャーの事業所(居宅介護支援事業を行う者)・介護付有料老人ホーム・グループホーム・特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院などです。
住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅は、この列挙に入っていません。
そこを探しているなら、列挙に入っているケアマネジャーの事業所を通して探すことになります。
なお、入院の手続きの場では保証人や身元引受人を問われることがあります。誰も立てられないときの動き方は、保証人がいないと断られた方に向けた記事で扱います。
入院した日のうちに、担当のケアマネジャーへ電話してください。
ケアマネジャーには、上の2つに加えて、入院したことと介護施設への申込みを続けたい意思も伝えます。
同じ2つを両方へ伝えるのは、病院の中と外で話が別々に進むのを防ぐためです。
特別養護老人ホームへ申し込んでいる場合は、申込先の自治体の窓口にも入院した日に連絡してください。伝えるのは、入院したことと申込みを続けたい意思と、同じ2つです。
この電話で何を聞くかは、入院中に止まってしまう手続きの章で扱います。
なぜ今日なのでしょうか。区切りまで3か月あるなら、来週でもよさそうに見えます。
60日以上の長期入院になった原因として最も多かったのは、病状ではありませんでした。中心になって関わる家族が抱えている事情や、使えるサービスと施設の不足です。
厚生労働省の委託でまとめられた調査報告書は、これらをまとめて社会的な要因と呼んでいます。
出典:厚生労働省保険局委託 認知症のある方の入院受け入れと退院支援の現状と課題に関する調査研究報告書
入院を長引かせている原因は、大きく3つに分かれます。
はじめの2つは受け入れる側の事情で、3つ目は親の介護を担ってきた人の事情です。
退院した後に移る先として考える介護老人保健施設にも、入所の判定の基準があります。
入所できない例として、次の状態を公表している施設があります。
認知症に伴う不穏行動、夜間叫声、自傷他害のおそれがあるなど、精神科での専門的治療が必要
これは1つの施設が公表している基準であって、すべての介護老人保健施設が同じ判定をしているという意味ではありません。 それでも、精神科での治療が必要な状態を入所の対象から外す施設が現にあることは分かります。
認知症と体の病気が重なると、一般の病棟からも精神科の病棟からも移りにくくなります。
先ほどの報告書は、2つの病棟で対応が難しくなる点を対にして挙げています。一般の病棟では認知症の症状への対応が難しくなりやすく、精神科の病棟では体の病気への対応が難しくなりやすい、というものです。
2013年(平成25年)に認知症治療病棟を対象に行われた調査では、体の病気の治療のために別の診療科へ転院させようとした際、7割以上が受け入れを断られた経験があると回答しています。
この割合は患者の人数ではなく、回答した病棟を数えたものです。 10年以上前の調査でもあります。
病院どうしの間でも、受け入れは断られています。
報告書が社会的な要因として挙げているものは、家族が努力してすぐに変えられるものではありません。
先に挙げた2つに、中心になって関わる人と患者との関係の問題が加わります。関係の問題も、いま急に変えられるものではありません。
時間そのものも不利に働きます。同じ報告書に載っている認知症治療病棟の調査では、60日以内に退院した患者の46%が自宅へ退院したのに対し、61日以上入院した患者では32%でした。
これは認知症治療病棟を対象にした調査の数字で、退院先の割合を示した630調査とは数えた人が違います。 2つを並べて比べることはできません。
同じ調査は、長期入院になった患者にも触れています。入院したときの症状の重さでは早く退院した患者と差がなく、入院から3週目の症状のほうが重かったという報告です。
60日は制度の期限ではなく、調査から見えた長引きやすさの目安です。60日を過ぎたから帰れなくなるという意味ではありません。
ここまでの数字は、長く入院した人と早く退院した人を後から比べた調査です。家族が動いたら退院が早まったことを確かめた研究ではありません。
そのうえで、ここまでに挙げた原因のうち、家族から手をつけられるものが1つあります。退院した後にどこで暮らしたいかを、早いうちに伝えておくことです。
先ほどの報告書は、早い退院を妨げる要因も挙げています。栄養の状態が悪いことと、隔離や身体的な拘束が行われていることです。
入院が延びるほど、動かない時間も栄養の状態が悪い時間も延びます。書類の期限とあわせて、これも退院の段取りを急ぐ理由の1つです。
入院している間の身体的な拘束は、この記事では扱いません。介護施設で拘束を理由に断られたときの考え方は、身体拘束ができないと断られた方に向けた記事にあります。
断られ続けたことについて、親の状態や家族の伝え方だけが原因だったとは限りません。
入院した日にやるのは、住まいを1つに絞ることではなく、どこで暮らしたいかを伝えることです。
入院しただけで手続きが自動的に消えるとは限りません。手続きごとに、家族が確かめる先があります。
放っておくと止まるものが3つあります。
3つとも、確かめる先があります。
申込みを残すかどうかは、自治体がそれぞれの運用と更新の手続きで決めています。入院したことだけで消えるのではありません。
申込みの有効期間と、入院している人の扱いを定めた決まりは、国の基準にはありません。指定介護老人福祉施設の基準第7条第2項が定めているのは、必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させるよう努めることだけです。
入院している人の扱いは、自治体によって正反対になります。
北九州市が名簿から削除する場合の例外に挙げているのは、「入所希望者が入院中である等の特別の事情がある場合」です。千代田区は、申込みの対象から「入院治療を必要とする方は除きます」としています。
出典:北九州市 特別養護老人ホームへの入所について/千代田区 特別養護老人ホームの入所申込み
この2つは実際の書き方の例で、ほかの自治体がどちらに近いかは分かりません。
入院した日にかけた電話で、次の3つを聞いてください。入院中の扱いと、申込みを続けるために要る届出の様式と、次の更新の期限です。
入院している間に親の居室が残るかどうかを分けるのは、その施設の種類です。
ここからは、入院する前から施設に入居していた場合の話です。自宅から入院した場合は、この節を飛ばしてください。
| いま入居している施設の種類 | 入院したときにどうなるか | 確かめる先 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 3か月以内に退院できる見込みがはっきりしていれば、退院した後に戻れるようにする決まりがあります | 施設の相談員(基準第19条と解釈通知を示す) |
| 介護付有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム | 国の指針に入院中の定めが無く、扱いは契約ごとに違います | 契約書と重要事項説明書 |
上の2つ以外の施設に入居している場合は、契約書と重要事項説明書を開いてください。退去の条件と、入院して不在の間の費用の扱いを確かめます。
ここから先は特別養護老人ホームの決まりです。 ほかの種類に同じ決まりがあるという意味ではありません。指定介護老人福祉施設の基準第19条は、次のように定めています。
入院後おおむね三月以内に退院することが明らかに見込まれるときは(中略)やむを得ない事情がある場合を除き、退院後再び当該指定介護老人福祉施設に円滑に入所することができるようにしなければならない
出典:e-Gov法令検索 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準
3か月以内に退院できる見込みがはっきりしている場合の決まりです。いつ退院できるか分からない状態まで守るものではありません。
やむを得ない事情が何を指すのかは、厚生労働省の解釈通知が示しています。「単に当初予定の退院日に満床であることをもって該当するものではなく(中略)施設側の都合は、基本的には該当しないことに留意すること」と書かれています。
出典:厚生労働省 指定介護老人福祉施設の運営に関する基準の解釈通知
施設にも事情があります。部屋を空けたまま待てる期間は、施設ごとに違います。
家族から申し入れるときは、3か月以内に退院できる見込みがあることと、基準第19条と解釈通知を一緒に示してください。
有料老人ホームについては、厚生労働省の有料老人ホームの設置運営標準指導指針に入院の定めがありません。入院している間の居室の扱いは、契約書と重要事項説明書に書かれています。
出典:厚生労働省 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について
入院期間の区切りの3か月と、この3か月は別のものです。 医療保護入院の3か月は、入院から6か月を経過するまでの間の区切りで、退院の見込みを条件にしていません。基準第19条の3か月には、明らかに見込まれるときという条件が付いています。
2つを同じものとして覚えると3か月までなら部屋は残るという誤解になり、1年以上の入院が49.6%という630調査の数字と合いません。
要介護認定を切らさずに済むかどうかは、家族が更新の申請をいつ出すかで分かれます。
更新の申請ができるのは、有効期間の満了の日の60日前からです(介護保険法施行規則第39条)。要介護認定は、有効期間の中でだけ効力を持ちます(介護保険法第28条第1項)。
この60日前の日を、入院した日にカレンダーへ書き込んでください。
一方で、入院した直後に区分変更の申請を出すことは勧められていません。厚生労働省の認定調査員テキストは、次のように書いています。
また、入院後間もない等、調査対象者の心身の状態が安定するまでに相当期間を要すると思われ、介護保険によるサービスの利用を見込めない場合は、必要に応じ、申請者に対して、一旦申請を取り下げ、状態が安定してから再度申請を行うよう説明する。
出典:e-Gov法令検索 介護保険法/厚生労働省 要介護認定 認定調査員テキスト2009 改訂版
入院しているからできないのではなく、状態が安定していないからできないという書き方です。重い状態のいまのうちに認定を取り直しておこうと考えて動くと、一旦取り下げるよう説明されます。
これは入院した日の仕事ではなく、有効期間の満了日が近づいたときの仕事です。
ここまでは手続きの話です。次は入院にかかるお金です。
精神科の入院には医療保険が使え、1か月あたりの自己負担には高額療養費の上限がかかります。ただし上限の外にあるものが2つあり、食費と差額ベッド代がこれにあたります。
上限の額は所得の区分ごとに定められているので、自分の親がどの区分に当たるかは、加入している健康保険の窓口で確かめてください。
1つ目は食費です。全国健康保険協会の案内によると、入院したときの食費の自己負担は2026年(令和8年)6月1日から1食550円で、住民税が非課税の世帯は270円です。
1日3食なら1,650円になります。
出典:全国健康保険協会 入院時食事療養費の標準負担額について
2つ目は差額ベッド代です。差額ベッド代の同意書で同意の確認をしていない場合や、治療上の必要があって特別な部屋に入院させた場合、病院はこれを請求できません。
ここでいう同意書は、医療保護入院の同意書とは別の書類です。
請求されたら、その書類に署名した覚えがあるかを確かめてください。
お金は、退院の時期を決める材料ではありません。決めた時期に退院できるかを確かめる材料です。
費用が下がることを先延ばしの理由にせず、費用が心配だからといって退院した後の住まいを決めないまま急ぐこともしないでください。
退院を求めるために家族から使える方法は3つあり、上から順に使います。
まず入院期間の更新に不同意を出し、次に退院支援の委員会で意見を述べ、それでも話が進まないときに都道府県知事へ退院を求めます。
前の2つは更新の区切りに合わせて使うもので、3つ目は更新まで待てないときのものです。
更新の同意を求める通知が届いたら、通知が出された日から2週間以内に、書面が病院へ届くように出してください。
更新の通知は、入院期間の区切りごとに送られてきます。送られる時期は、やむを得ない場合を除き、期間が満了する日の1か月前から2週間前までです(施行規則第15条の10第3項)。
返事の期限は、満了日からではなく、通知が出された日から2週間です。 通知が早く届けば、返事の期限もそのぶん早く来ます。
返事をしないことは、保留にはなりません。家族等のいずれからも不同意の意思表示を受けなかったときは、同意を得たものとみなすことができると定められています(同法第33条第8項、施行規則第15条の14)。
厚生労働省のQ&Aは、この期限を次のように説明しています。
病院必着として差し支えありません。当該期限までに書面が届かない場合は、同意があったものとみなすことになります
出典:厚生労働省 改正精神保健福祉法の施行に伴うQ&Aについて(更新)/e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則
署名を取り消す手続きはないので、これが家族から使える最初の方法になります。
医療保護入院者退院支援委員会には、家族も加わって意見を述べられます。
委員会に出るのは、主治医・看護職員・退院後生活環境相談員と、管理者が出席を求めた職員です。本人が希望すれば本人も加わり、その希望があれば病院から家族等へ開催が書面で知らされます。
知らされた人は、希望すれば出席するか、書面で意見を述べられます(同じ施行規則の第15条の12第2項・第3項)。
条文では、家族への通知の起点が本人の希望になっています。本人が希望を示せない状態のときにどう動くのかは、条文に書かれていません。
家族からできるのは、担当の相談員に対して、委員会に加わりたい意向を早い段階で伝えることです。
伝えたからといって通知が来るとは限りませんが、期間が満了する直前に気づくよりは、委員会が開かれる前に意見を伝えられます。
家族等も、都道府県知事に退院を求めることができます。
精神保健福祉法第38条の4は、退院や処遇の改善を都道府県知事に求めることができる人として「精神科病院に入院中の者又はその家族等」を挙げています。請求を受けた知事は、精神医療審査会に審査を求めなければなりません(同法第38条の5)。
ただし、請求すれば退院できる手続きではありません。
衛生行政報告例によると、2023年度(令和5年度)に審査された3,152件のうち、2,662件は入院又は処遇は適当という結果でした。
出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律/令和5年度 衛生行政報告例 精神医療審査会の審査状況(e-Stat)
これは、更新のときの不同意より先に使う方法ではなく、更新まで待てないときの方法です。
家族が決めておけるのは、入院するかどうかではありません。退院した後にどこで暮らすかです。
次に取るのは、今日のうちに伝えることです。いつごろの退院を目指すかと退院した後にどこで暮らしたいかを、病院の担当者と担当のケアマネジャーへ伝えます。
これを飛ばすと、退院の話が出たときに、住まいを一から探し直すことになります。
当サイトは介護施設を運営している事業者ではありません。退院した後にもう一度施設を探すときは、断られた理由を具体化する方法の記事と、何件も断られたときの切り替え基準の記事が使えます。