その有料老人ホームが親に合わないと分かる三つの条件

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「介護がつらい…」「近くにどんな施設があるの?」
まずは資料を取り寄せてみよう!

シニアのあんしん相談室


※1999年創業の会社が運営する「シニアのあんしん相談室」よりサービス提供を受けております。

 

親の要介護度を伝えて相談すれば、施設からまず返ってくるのは「受け入れられます」という返事です。ただ、その返事には、いま自宅で朝と就寝前に塗っている軟膏を、施設では誰が塗るのかまでは含まれていません。

「介護付き」という名前が付いていても、夜間に看護職員が建物の中にいるとは限りません。名称や種類が示すのは制度上の最低基準までで、親に必要な処置を誰が何時に行うかは、同じ種類の中でも施設ごとに違います。

だからこの記事は、有料老人ホームに向いていない人を列挙しません。要介護度や病名だけで向き不向きを決めることはできないからです。代わりに、目の前の施設が親に合わないと分かる条件を扱います。

確かめるのは3つ。必要な処置を必要な時間に誰が担うか本人が望む暮らしと施設のルールが合うか状態が変わっても住み続けられる契約かです。順に見ていきます。

施設の種類から分かることと分からないこと

資料を取り寄せると、「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」という三つの言葉が並びます。どれを見ればよいかを決める前に、この三つで決まっていることの中身が違うことを押さえておきます。

介護付きの人員基準に夜勤の看護職員の定めはない

介護付きとは、特定施設入居者生活介護の指定を受けた有料老人ホームのことです。人員の基準は、指定居宅サービス等の人員、設備及び運営に関する基準を定めた省令の第175条にあります。

そこでは、看護職員と介護職員の合計を、要介護者3人に対して常勤換算で1人以上置くこととされています。看護職員だけを取り出すと、利用者30人以下の施設で1人以上とされています。

そして、この省令に、夜勤の看護職員を置く規定はありません。夜間について書かれているのは「常に一以上の介護職員が確保されること」だけです。介護付きという名前は、夜間に看護職員がいることまでは保証していません。

パンフレットに「3対1」と書かれているのは、この省令の数字のことです。ただしこれは常勤換算の最低基準であって、その時間に何人いるかを示す数字ではありません。

常勤換算とは、職員それぞれの勤務時間を常勤職員の勤務時間で割り、人数に直した数え方です。夜中に入居者三人あたり職員一人が付いていると読める数字ではありません

住宅型とサ高住は体制の決まり方そのものが違う

住宅型有料老人ホームには、介護付きのような人員の数値基準がありません。国の標準指導指針が「介護サービスの安定的な提供に支障がない職員体制とすること」と定めるだけです。どれだけの職員を置くかは、施設ごとに決まります

サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者の居住の安定確保に関する法律第7条第1項第5号と、同施行規則第11条に登録の基準があります。その中心にあるのは状況把握(安否確認)と生活相談であり、介護サービスの提供そのものは登録の基準に含まれていません

つまりサ高住は、住まいとしての見守りと相談を軸にした制度です。介護が付いているかどうかは、その建物ごとに別に確かめることになります。

三つの種類で、制度が決めていることと決めていないことを並べると次のようになります。

施設の種類体制について決まっていること決まっていないこと
介護付き(特定施設の指定あり)看護職員と介護職員の合計、および看護職員の下限(いずれも常勤換算)夜勤の看護職員を置くこと
住宅型支障がない職員体制とすること(定性的な指針のみ)職員の数値基準
サ高住状況把握(安否確認)と生活相談介護サービスの提供

真ん中の列は「最低限これは決まっている」であって、実際にどれだけの体制があるかではありません。しかも根拠の重さが違います。介護付きは省令、サ高住は法律と施行規則の登録基準ですが、住宅型の根拠である国の指針は数値の基準を持たず、施設の側に努めることを求める形で書かれています。

それでも、この表は最初の絞り込みには使えます。夜間を含めて施設の職員に介護を担ってほしいなら、人員の基準がある介護付きから見ます。介護は外から入るサービスで組む前提なら、住宅型やサ高住も入居先の候補に入ります。

使えるのはそこまでです。介護付きだから夜間も看護師がいる、サ高住だから介護が付いている、とまでは言えません。種類で入居先の候補を絞ったあとは、個別の施設の体制と契約で決めることになります。

必要な処置を必要な時間に担える体制かを確かめる

夜中に痰が絡んで何度も起きます。朝と就寝前に背中へ軟膏を塗ります。いま自宅でやっているその一つひとつが、施設に移ったとき誰の手に渡るのかを考えます。

ここで確かめることは三つの種類すべてに当たりますが、何を根拠にできるかと、誰に聞くかが変わります。介護付きは人員基準と加算が施設そのものに掛かるので、施設へ直接聞けば足ります。住宅型とサ高住には施設の体制の数値基準がないため、その処置を担うのが施設の職員なのか、外から入るサービスなのかから確かめます。

聞く順番は決まっています。親に必要な処置は何か、それは何時に必要か、その施設では誰が行うか、夜間と休日はどうなるか、実施できないときはどこへつなぐか。この五つです。このあと加算の話が出るところは、介護付きに限った話になります。

親に必要な処置と時間帯を先に書き出す

最初にやることは施設探しではなく、紙を一枚用意することです。

処置の名前、一日に何回か、何時に行うか、いま誰が行っているか。この四つを縦に並べます。服薬の介助、軟膏の塗布、痰の吸引、胃ろうからの栄養注入、血糖の測定など、家族が当たり前にやっていて名前を付けていない行為ほど書き落としやすくなります。

この一覧を持たずに見学へ行くと、施設側の「対応できます」を確かめられません。何に対して対応できると言われたのかが分からないまま、印象だけが残ります。

医療的ケアを介護職員が行うには四つの条件がいる

医療的なケアを担うのは看護職員だけではありません。口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の喀痰吸引と、胃ろう又は腸ろうによる経管栄養、経鼻経管栄養の五つは、認定を受けた介護職員等も実施できるとされています。

根拠は、社会福祉士及び介護福祉士法第2条第2項と、同法施行規則第1条です。

ただし、誰でも自由にできるわけではありません。一定の資格、事業者としての登録、医師の指示、看護職員との連携。この四つが重なって初めて成り立ちます。条件が一つ欠ければ実施できません。

だから「介護職員がやれる」とも「介護職員には無理」とも一般化できません。聞くのは職種の名前ではなく、その施設が登録を受けた事業者かどうか、そして夜間に認定を受けた従事者が勤務しているかどうかです。住宅型やサ高住なら、聞く相手が施設ではなく、入る介護サービスの事業者になることもあります。

同じ処置でも状態が一段変われば担い手が変わる

冒頭に書いた軟膏の話に戻ります。軟膏を塗ること自体は、厚生労働省の通知(医政発第0726005号)が「原則として医行為でない」と整理した行為に入ります。

ところが同じ通知は、褥瘡(床ずれ)の処置をその範囲から明文で除いています。塗るという動作は同じでも、皮膚が褥瘡になっているかどうかで、誰が行える行為かが変わります。

だから施設に聞くときは、いまの状態で対応できるかだけでは足りません。状態が一段変わったときに、同じ人が同じ時間帯に対応できるのかまで聞きます。

夜間に館内で勤務する看護職員は施設ごとに違う

ここからは介護付きに限った話です。介護付きには夜間看護体制加算という介護報酬の加算があり、(Ⅰ)と(Ⅱ)で要件が違います。

厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会の資料によれば、(Ⅰ)は常勤の看護師1名以上の配置と看護責任者の設定、夜勤又は宿直を行う看護職員1名以上、重度化への対応指針の策定と入居時の説明・同意を要件としています。

ここで「夜勤又は宿直」と並んでいることに注意します。二つは別の言葉であり、(Ⅰ)を算定していることは、夜通し働く看護職員がいることと同じ意味にはなりません。

(Ⅱ)は、常勤の看護師の配置と看護責任者の設定、そして重度化への対応指針の策定と説明・同意。この二つを(Ⅰ)と共有したうえで、看護職員により、または病院・診療所・指定訪問看護ステーションとの連携により、24時間連絡できる体制を確保することを要件としています。

(Ⅰ)と同じ夜勤・宿直の要件は置かれていません

ここから先へは踏み込みません。(Ⅱ)が電話で呼べば来る体制だとは、この資料からは言えないためです。書けるのは、二つの要件が違うということまでです。

加算とは介護報酬の上乗せの名前であって、夜間に何人いるかを直接示す言葉ではありません。だから家族が最初に聞くのは記号ではありません。

「夜間に、館内で勤務する看護職員はいますか。いる時間帯と人数を教えてください。」これを先に聞きます。そのうえで、介護付きなら「夜間看護体制加算は(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらですか」を裏付けとして添えます。

介護給付費等実態統計(令和6年6月以降)による事業所ベースの算定率は、(Ⅰ)が11.89%、(Ⅱ)が62.83%です。この加算は介護付きのものなので、住宅型やサ高住を含めた割合ではありません。

数えているのは各区分を算定した事業所の割合であって、夜勤の看護職員がいる施設の割合ではありません。算定していない施設の実際の配置までは、この数字からは分かりません。

この割合は施設選びの入口にはなりません。目の前の施設で誰が何時にいるかを、書面と質問で確かめる方が早く済みます。

実施できないときのつなぎ先まで聞く

施設で対応できない事態は起こります。そのとき誰が判断し、どこへ運ぶのかが決まっているかどうかが、夜間の安全を分けます。

有料老人ホームに向けた国の標準指導指針8⑼イは、入居者の急変時等に相談対応や診療を行う体制を常時確保した協力医療機関を定めるよう努めることを求めています。夜間や急変時の受け皿は、施設の中だけにあるのではありません

現行の重要事項説明書には、協力医療機関について、急変時の相談対応を常時確保しているか、診療を常時確保しているかを「あり」「なし」で書く欄があります。名前が書いてあることと、常時対応できることは別です。

ここまで見てきたことは、結局のところ一つの問いに尽きます。親に必要な処置を、誰が何時に行い、できないときはどこへつなぐのか。ここに具体で答えられない施設は、親に必要な処置を担える体制があるとは言えません。答えが「対応できます」だけで返ってきたときは、まだ何も確かめられていません。

本人が望む暮らしと運営ルールが合うかを見る

週に二回の通院を続けたいという希望や、夕食は決まった時間でないと落ち着かないという習慣。そうした動かせないものは、入居して初めて衝突します。

ここで気をつけたいのは、自立度が高い人は施設に向いていない、という決め方をしないことです。合わないのは人ではなく、その人が望む暮らしと施設の運営ルールの組み合わせです。確かめるのは、外出と面会とかかりつけ医の扱い、周りにどんな入居者がいるか、そして認知症がある場合の伝え方の三つです。

※ ここで引く根拠は、有料老人ホーム(介護付きと住宅型)に向けた国の指針と、有料老人ホームの重要事項説明書です。サ高住には別の制度が乗るため、同じ欄名では読めません。確かめる項目そのものは、どの種類でも変わりません。

外出と面会とかかりつけ医は全国一律ではない

有料老人ホームに向けた国の標準指導指針9⑴十は、入居者の外出の機会を確保するよう努めることを求めています。同指針8⑼チは、入居者が医療機関を自由に選択することを妨げないこととし、協力医療機関は選択肢の提示であって誘引のためのものではないとしています。

ただし、ここから「だから交渉できる」とは続きません。指針が求めているのは施設の側の姿勢であって、個別の例外に応じることまでを示してはいません。施設が安全管理のうえで、全入居者に同じルールを置いていることもあります。

書けるのはここまでです。面会・外出・医療機関の扱いは、全国一律に決められているわけではありません。だから施設ごとの差が大きく、契約の前に並べて比べる意味があります。

比べる項目は次のとおりです。

  • 外出と外泊の手続と、届け出が要る時間帯
  • 面会できる時間と場所
  • いまかかっている医療機関を続けられるか、通院の送迎があるか
  • 食事の時間と、日課への参加が義務かどうか
  • 飲酒、喫煙、ペット、持ち込みの可否

このうち飲酒から下は、国の指針に規定があるかを確認できていません。決まりの有無を論じる話にはせず、施設ごとに違う項目として並べて確かめます

周りにどんな入居者がいるかも暮らしの一部になる

誰と同じ建物で暮らすかは、本人の毎日を左右します。ここで全国の古い入居者分布を持ち出す必要はありません。目の前の施設の書面に、いま誰が住んでいるかが書いてあります。

現行の重要事項説明書の「7.入居者の状況」には、性別、年齢別、要介護度別の実人数、入居期間別の内訳があります。「(入居者の属性)」には平均年齢と入居者数の合計、入居率があります。「(入居に関する要件)」には、自立している者・要支援の者・要介護の者のそれぞれを受け入れるかが書かれています。

自立している親が、要介護度の高い入居者ばかりの中で日中どう過ごすことになるのか。この見当が付かないまま契約すると、暮らしの中身がずれます

認知症は病名ではなく具体的な行動を伝える

認知症があること自体を、合わない条件にはしません。診断名からは、その施設で暮らせるかどうかは決まりません。

施設へ伝えるのは行動です。夜間にどう過ごしているか、外へ出ようとすることがあるか、他の人とのトラブルが起きたことがあるか、本人が嫌がるのはどんな場面か。具体で伝えて、具体で返ってくるかを見ます。

聞くのは、同じような状態の入居者を受け入れた経験、夜間の見守りの方法、そして状態が変わったときの住み替えの条件です。

望む暮らしについては、こう線を引けます。いまの医療機関を続けられるか、外出と面会がどう扱われるか。この二つを書面と説明で確かめられない施設は、その親には合いません。暮らしの中身が分からないまま入るのは、条件が合うかを確かめずに契約するのと同じです。

状態が変わったあとも住み続けられる契約か

入居して二年が経ち、歩けなくなったとき、この部屋にいられるのか。契約書を読むのはそのためです。

ここでは借地借家法や解約の申入れといった契約法の議論はしません。読むのは、目の前の契約書と重要事項説明書の、決まった欄です。確かめるのは、状態が変わったときの住み替えの手続と、施設側から契約を解除する場合の条件と予告の期間の二つです。

※ ここで引く根拠も、有料老人ホームに向けた国の指針と、有料老人ホームの重要事項説明書です。サ高住には別の制度が乗るため、同じ欄名では読めません。契約書に何がどう書かれるかから確かめることになります。

状態が変わったら住み替える契約を制度は前提にしている

有料老人ホームに向けた国の標準指導指針12⑵六は、状態が変わったときに住み替えたり契約を解除したりする契約について、その手続を入居契約書または管理規程に明示するよう求めています。

対象として挙がっているのは、一定の要介護状態になった入居者が一般居室から介護居室や提携ホームへ住み替える契約、一定の要介護状態になったことを理由に契約を解除する契約、介護居室の入居者の心身の状況に著しい変化があり介護居室を変更する契約です。

明示させる手続は三つあります。医師の意見を聴くこと、本人または身元引受人等の同意を得ること、一定の観察期間を設けること。同じ号は、住み替えで家賃相当額の差額が生じた場合の取扱いも考慮するよう求めています。

状態が変わったら住み替える、あるいは解除するという契約の形があることを、制度の側が前提にしています。だから確かめるのは「そうならないか」ではありません。そうなったときにどうなるかです。

一般居室と介護居室は、同じ建物の中の別の部屋を指します。指針が挙げているのは提携ホームへ移る形もあり、建物ごと移る話とは限りません。部屋が変われば費用も変わり得るため、差額がどう扱われるかを契約書で見ます。

契約解除と予告期間は契約書ごとに違う

同じ指針の12(2)四は、退去の事由を列挙していません。求めているのは、設置者の契約解除の条件が「信頼関係を著しく害する場合に限る」など、入居者の権利を不当に狭めるものになっていないこと、という書き方の縛りだけです。

つまり、どういうときに出ていくことになるのかの中身は、契約書ごとに違います。国が決めた共通の線があると思って読むと、書いていないことに気づけません。

見る欄は次のとおりです。

  • どの状態になったら居室の変更や転居を求められるか
  • その判断がどういう手続で行われるか
  • 住み替えたときに費用がどう変わるか
  • 施設側から解約を求める場合の条項と、予告の期間
  • 医療機関へ入院したあとの、居室と契約の扱い

上の四つまでは、重要事項説明書の「入居後に居室を住み替える場合」と「契約解除の内容」の欄に置かれています。費用については、追加的な費用が生じるか、前払金の扱いに調整が入るかの欄があります。入居時にまとめて払ったお金の扱いが、住み替えによって変わることがあるという意味です。

どの状態で居室の変更や転居を求められるのかが書面になく、聞いても具体で返ってこない施設は、その親には合いません。制度が書面への明示を求めている以上、書いていないこと自体が判断の材料になります。

入居した後に施設から退去を求められた場面で、その場で同意せずに何を確かめるかは別の記事で扱っています。

関連記事:老人ホームから退去を求められたときに、その場で同意せず確かめること

施設以外の選択肢が成り立つこともある

施設を探す手を一度止めて確かめる先もあります。定期巡回・随時対応型訪問介護看護や小規模多機能型居宅介護が地域で使えるなら、自宅での暮らしを続ける形が成り立つこともあります。

ただしこれらのサービスは、住んでいる地域によって使えるかどうかが大きく違います。厚生労働省の介護給付費分科会も、普及が十分に進んでいないことを課題として挙げています。地域包括支援センターか担当のケアマネジャーに、自分の地域で使えるかを聞きます。使えないと分かってから施設探しに戻れば足ります。施設探しに戻ったら、書類と質問の順番を決めます。

書類で見ることと直接聞くこと

机の上にパンフレットと重要事項説明書が積まれています。どこから読むかで、かかる時間がまるで変わります。

順番があります。まず書類の日付を確かめ、次に重要事項説明書で読み取れる欄を押さえ、書面に出ない部分を見学で聞きます。最後に、それを明日から手を動かす順番に落とします。

まず書類の記入年月日を見る

最初に見るのは体制の欄ではなく、書類の日付です。

令和6年12月6日に改正された国の様式(老発1206第2号の別紙様式)では、加算の欄の「夜間看護体制加算」が(Ⅰ)と(Ⅱ)の二行に分かれ、それぞれ「1 あり 2 なし」で記入されます。別の枠には「(夜勤を行う看護・介護職員の人数)」があり、夜勤帯の設定時間と、看護職員・介護職員それぞれの平均人数、最少時人数を書かせています。

つまり、夜間に館内で勤務する看護職員がいるかどうかは、現行の様式なら書面で読めます。手元の書類が古い版なら読めません。令和3年度版の様式では、加算の欄が「夜間看護体制加算」の一行だけでした。

だからまず記入年月日(様式により「基準日」)を見ます。記入年月日とは、いつ時点の状態を書いた書類かを示す日付です。ここが古ければ、書いてある人数も今の人数ではありません。

重要事項説明書で読み取れる欄

書面で確かめる欄と、そこで分かることをまとめると次のようになります。

そこで分かることどの条件に効くか
(夜勤を行う看護・介護職員の人数)夜勤帯の時間と、看護職員・介護職員の平均人数と最少時人数処置と時間
特定施設入居者生活介護の加算の体制の有無夜間看護体制加算が(Ⅰ)か(Ⅱ)か処置と時間
5.職員体制(職種別の職員数)職種ごとの実人数と常勤換算人数処置と時間
(職員の状況)前年度の採用者数と退職者数、業務に従事した経験年数処置と時間
(医療連携の内容)協力医療機関と、急変時の相談対応・診療を常時確保しているか処置と時間
7.入居者の状況年齢別・要介護度別の実人数、平均年齢、入居率暮らしとルール
入居後に居室を住み替える場合住み替えの判断基準と手続きの内容、追加的費用の有無契約
契約解除の内容と前年度の退去者の状況解約条項と予告期間、退去先別の内訳と解約事由の例契約

左の列は様式の言葉そのままです。欄名や公開の方法は、自治体や様式の版で差があり得ます

※ この様式は介護付きを含む有料老人ホームのもので、サ高住には別の制度が乗るため、同じようには使えません。

下の二つは、契約について挙げた確認項目の置き場所にあたります。夜勤の人数から医療連携までの五つは処置と時間に、入居者の状況は暮らしとルールに効きます。

書面は見学の前に手に入ることがあります。個別の施設の重要事項説明書を自治体がサイトで公開している場合があり、東京都や姫路市などで確認できます。施設に請求しなくても、自宅で並べて比べられます。

※ 介護サービス情報公表システムに載っていない施設もあります。これは介護保険法第115条の35第1項に基づく報告義務によるもので、住宅型やサ高住は特定施設の指定がない限り、施設として載りません。検索して出てこないことは、怪しいことを意味しません

※ 住宅型については、先に挙げた自治体の重要事項説明書の一覧で探せることがあります。第三者評価も任意であり、未実施だから悪いとは言えません。

重要事項説明書のどこを見学の前に比べるかは、別の記事で扱っています。

関連記事:介護付有料老人ホームの重要事項説明書で、見学の前に比べる三か所

書面に出ない部分を聞く

書面で分かるのは人数と時間帯までです。親に必要な処置に対応できるかは、書面からは分かりません。

見学のときに聞くことを一つにまとめると、次の六つになります。

  • 親に必要な処置を、誰が何時に行うか
  • 夜間に館内で勤務する看護職員はいるか、いる時間帯と人数はどれだけか
  • 夜勤の看護職員が、親に必要な処置に対応できるか
  • 同じような状態の入居者を受け入れた経験があるか
  • 状態が悪化したときにどう対応し、できないときはどこへつなぐか
  • 認知症がある場合、夜間の見守りと具体的な行動にどう対応しているか

いずれも「対応できます」で終わらせません。誰が、何時に、できなくなったらどうするかまで返してもらいます。

最初にやることを3つに絞る

ここまで挙げた確認を、すべて一度にやる必要はありません。明日から手を動かす順番は三つです。

  1. 親にいま必要な処置と、それが必要な時間帯の一覧
  2. 重要事項説明書の職員体制・協力医療機関・退去者の状況・契約解除の条件
  3. 施設への「誰が・何時に・できなくなったらどうするか」の質問

介護付きを見ているなら、三つ目に「夜間看護体制加算は(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらですか」を添えます。この順で確かめれば、その施設が親に合うかどうかは、種類の名前やパンフレットではなく、書面と返答で決まります

参考にした資料

制度と様式は改正されます。ここで参照した内容は2026年8月時点のものであり、最新の様式や条文は各リンク先で確認できます。