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今回のショートステイは、何日目ですか。空いている事業所が見つかるたびに数え直していると、止まる日はいつも次の予約の向こう側にあります。
続けて使える日数には、介護保険から費用が出る30日と、ケアプランに書き込める日数の2つがあります。この記事では、その2つの日数と、30日をどう数えるか、超えたときに何が起きるかを、順に説明します。
ショートステイを続けて使える日数には、性質の違う区切りが2つあります。どちらも「何日で追い出される」という決まりではありません。介護保険から費用が出る日数の決まりと、ケアプランに書き込む日数の決まりです。
2つは別々に数えます。片方に余裕が残っていても、もう片方が先に来ることがあります。
介護報酬の額を定めた基準に、短期入所生活介護費の注として、次のとおり書いてあります。
利用者が連続して30日を超えて指定短期入所生活介護を受けている場合においては、30日を超える日以降に受けた指定短期入所生活介護については、短期入所生活介護費は、算定しない。
「算定しない」は、その日のショートステイに介護保険から給付が出ない、という意味です。利用そのものを禁じる決まりではありません。30日を超えた日の費用は、介護保険を使わずに、全額を自分で払うことになります。
出典: 厚生労働省 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準 短期入所生活介護費
もう1つの区切りは、ケアマネジャーがケアプランを作るときの決まりの中にあります。
介護支援専門員は、居宅サービス計画に短期入所生活介護又は短期入所療養介護を位置付ける場合にあっては、利用者の居宅における自立した日常生活の維持に十分に留意するものとし、利用者の心身の状況等を勘案して特に必要と認められる場合を除き、短期入所生活介護及び短期入所療養介護を利用する日数が要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにしなければならない。
出典: e-Gov法令検索 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 第13条
要介護認定の有効期間は、新しく認定を受けたときが原則6か月、更新のときが原則12か月です。更新で要介護度が前と同じなら、最長48か月まで設定されることもあります。更新の12か月なら、そのおおむね半数は約6か月です。ここでいう「おおむね半数」は、日数を区切って止める上限ではなく、ケアプランを作るときに超えないようにする目安です。「特に必要と認められる場合を除き」という但し書きも付いています。
30日という数字より先に、数え方を確かめる必要があります。ここを取り違えると、まだ余裕があると思っているうちに上限へ届きます。数え方の決まりは4つです。
どれも、別の事業所を探して続けようとしたときの数え方です。
厚生労働省が出した介護報酬のQ&Aに、次のとおり書いてあります。
(介護予防)短期入所生活介護の利用日数は、原則として利用を開始した日及び利用を終了した日の両方を含むものとされており、連続利用日数の考え方もこれに連動して介護報酬を請求した日数をもとに算定されるものである。
3泊4日で預けたなら、数えるのは4日です。泊まった夜の数ではありません。
出典: 厚生労働省 令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)
いったん家に帰してから、また預ける形はどうなるか。厚生労働省のQ&A集は、次のように答えています。
退所の翌日入所した場合は、連続して入所しているものとしてあつかう。
同じQ&A集は、要介護認定の期間が途中で切り替わっても、引っ越して市町村が変わっても、連続して30日を超えた分は算定できないとしています。認定の更新や転居では、日数は切れません。
出典: 厚生労働省 介護サービス関係Q&A集 短期入所サービスの支給限度額の一本化に係るQ&A
Q&Aは、事業所をまたいだ場合の数え方も示しています。A事業所で15日続けて使い、そのままB事業所で15日続けて使った場合、連続利用日数は30日です。前の事業所で使った日数は、次の事業所へそのまま引き継がれます。
満床だと言われて別の事業所を探し、そちらへ移ったとしても、数え直しにはなりません。
出典: 厚生労働省 令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)
さらに、移った日の扱いに決まりがあります。
A事業所からB事業所に利用する事業所を変更した日については、A事業所・B事業所とも介護報酬請求を行うことから、利用変更日は2日と計算される。
移った日は、前の事業所の退所日でもあり、次の事業所の入所日でもあります。両方が請求するので、2日と数えます。事業所を渡り歩く形は、1か所で続けるより早く30日へ届きます。
ただし、移った先が同じ敷地内にある場合や、隣接・近接する敷地で職員の兼務や施設の共用が行われている場合は、前の事業所が退所日を請求できないため、同じ例で29日と数えます。
出典: 厚生労働省 令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)
30日を超えると、そこから先がずっと介護保険の外に出るわけではありません。家族が払う額と、事業所に入る額が、何日目かによって変わります。変わり方は決まっています。
厚生労働省のQ&Aが示しているのは、A事業所で連続30日分を請求したあと、その日のうちに別の敷地のB事業所を使い始めた場合です。
A事業所においてすでに連続して 30 日間(介護予防)短期入所生活介護費を請求していることから、B事業所は利用開始日においては介護報酬を請求することはできず、当該日のサービス提供に係る費用は利用者の自己負担によることとなり
その日の費用は、介護保険を使わずに全額を払います。1割や2割ではなく、10割です。
出典: 厚生労働省 令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)
同じ答えは、次のように続きます。
利用開始日の翌日からは介護報酬を請求することができる。
このQ&Aが答えているのは、30日を請求したあとに別の敷地の事業所へ移る場合です。その場合、そこで介護保険が打ち切られるのではなく、介護保険の使えない日が1日入る形になります。繋いで使い続けるとは、この1日をはさみ続けることです。
なお、移った先が同じ敷地内や隣接・近接の事業所である場合は、Q&Aの後段で数え方が変わります。実際にどの日が自己負担になるかは、移る先の場所も含めてケアマネジャーに確かめてください。
出典: 厚生労働省 令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)
家に戻らないまま同じ事業所を連続30日を超えて使うと、31日目から60日目までは長期利用者減算が付きます。長期利用者減算で下がるのは事業所に入る介護報酬の単位で、家族が払う額ではありません。
次は要介護3の場合の単位です。単位は介護報酬の計算に使う数で、1単位あたりの金額は地域によって変わります。
| 短期入所生活介護費の種類 | 30日目まで | 31日目から60日目 | 61日目から |
|---|---|---|---|
| 単独型 | 787単位 | 757単位 | 732単位 |
| 併設型 | 745単位 | 715単位 | 715単位 |
| 単独型ユニット型 | 891単位 | 861単位 | 815単位 |
| 併設型ユニット型 | 847単位 | 817単位 | 815単位 |
同じ介助をしていても、31日目から事業所に入る額は下がります。併設型だけは、31日目からの額と61日目からの額が同じです。
出典: 厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について
上の表の61日目からの単位のうち、単独型の732単位と、ユニット型の815単位は、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)に入所した場合の単位と同じ額です。改定の資料には、要介護3の介護老人福祉施設の単位が732単位と815単位と示されています。併設型の715単位は31日目からの額と変わらないままで、この一致には当たりません。
そろえた理由も、資料に書いてあります。
施設入所と同等の利用形態となる場合、施設入所の報酬単位との均衡を図る
家へ戻らないまま60日を超えると、単独型とユニット型では、単位の上で特別養護老人ホームに入所したのと同じ扱いになります。ショートステイを短期の泊まりとして数えるのは、そこまでです。
出典: 厚生労働省 令和6年度介護報酬改定における改定事項について
介護保険の使えない日を1日はさめば、31日目からの減算も止まるのか。厚生労働省のQ&Aは、止まらないと答えています。
長期利用者に対して短期入所生活介護を提供する場合の減算は、同一の指定短期入所生活介護事業所を連続 30 日を超えて利用している者について、それまでの間のサービス利用に係る費用を介護報酬として請求しているか否かに関わらず、連続 30 日を超える日以降の介護報酬請求において適用するものである。
減算の判断に使うのは、介護報酬を請求したかどうかではありません。家へ戻らずに同じ事業所を使い続けているかどうかです。自費の日は、数え直しの日にはなりません。
出典: 厚生労働省 令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)
ショートステイの請求書には、介護保険の対象になる費用と、対象にならない費用が並びます。繋いで使う日数が増えるほど、対象にならないほうが積み上がります。
介護保険法は、食事の提供に要した費用と、居住または滞在に要した費用を、介護サービスの費用とは分けて定めています。分けたうえで、所得と資産の条件に当てはまる人には、特定入所者介護サービス費という別の給付を出す形になっています。
つまり、食費と滞在費は、介護サービス費の1割や2割という形では計算されません。日額でそのまま請求されます。泊まる日数が増えれば、この2つはそのぶん増えます。
上の給付を受けるための手続きが、負担限度額認定です。市町村へ申請して認定されると、食費と滞在費に日額の上限が付きます。
令和8年8月1日からのショートステイの食費は、次の額です。
| 利用者負担段階 | 食費(1日あたり) |
|---|---|
| 第1段階 | 300円 |
| 第2段階 | 600円 |
| 第3段階① | 1,030円 |
| 第3段階② | 1,360円 |
| 認定を受けていない場合の基準費用額 | 1,545円 |
滞在費も、同じ日から次の額です。泊まる部屋の形で分かれます。
| 利用者負担段階 | 多床室(1日あたり) | 従来型個室(1日あたり) |
|---|---|---|
| 第1段階 | 0円 | 380円 |
| 第2段階 | 430円 | 480円 |
| 第3段階① | 430円 | 880円 |
| 第3段階② | 530円 | 980円 |
| 認定を受けていない場合の基準費用額 | 915円 | 1,231円 |
多床室は、特別養護老人ホームなどの相部屋です。
第1段階は生活保護を受けている人などで、第2段階から第3段階②は、世帯全員が市町村民税非課税で、年金収入と合計所得金額の合計と預貯金額が条件に当てはまる人です。認定を受けられるかどうかは、住んでいる市町村の窓口で確かめられます。認定の対象にならない場合、食費と滞在費の額は事業所との契約で決まります。
出典: 厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1506 令和8年8月からの特定入所者介護(予防)サービス費の見直し等に係る周知への協力依頼について
事業所を替えながら繋いでいると、本人は数週間ごとに知らない場所へ移ることになります。厚生労働省の資料は、認知症のある人について次のように述べています。
認知症の人は認知機能障害があるために環境の変化に脆弱であり、入院、入所、転居等に伴うリロケーションダメージを受けやすい。
ただし、同じ資料はその直後で、デイケアやデイサービス、ショートステイを積極的に利用し、多職種が連携して住み慣れた地域で長く暮らせるように支えることが大切だとも述べています。ショートステイを使うと本人が悪くなる、という話ではありません。
出典: 厚生労働省 認知症の人の行動・心理症状や身体合併症対応など循環型の医療介護等の提供のあり方に関する調査研究事業
別の資料は、認知症の行動・心理症状が、認知機能の障害に環境の要因が加わって起こるとしています。周りが本人のサインに気づかないと、パニックに至ることがあるとも書かれています。裏返せば、環境の要因なら、家族と事業所が気づいて変えられます。
出典: 厚生労働省 認知症の症状とBPSDを発現・増悪させる環境要因
家族にできるのは、預ける前と迎えた後で、眠り方、食べ方、排せつ、表情がどう違ったかを短く書いておくことです。事業所を替えた前後で違いが出ていたら、書いた内容をそのまま次の事業所とケアマネジャーに伝えてください。泊まりを繋ぐ代わりに夜の時間だけを外へ出すなら、夜に来てもらうサービスと費用は、別の記事にまとめています。
ここまでの日数は、どれも自分で数えられます。次の4つを書き出してください。
この4つを持って行くと、相談で決めることが変わります。「次はどこが空いていますか」ではなく、「この形はあと何日でこうなるので、そこまでに何を決めますか」から話が始まります。
日数を先に数えておくと、事業所から「もう続けられない」と言われる前に、こちらから期限を置けます。通いと泊まりと訪問を1つの事業所にまとめる形に替える場合の費用と使えなくなるサービスは、別の記事にまとめています。
「あと何日使えるか」は、1つの数字では出ません。使える日数の区切りが2つに分かれているからです。介護保険が使える連続30日と、ケアプランに書ける認定期間のおおむね半数。この2つは、それぞれ別の速さで進みます。これとは別に、同じ事業所を使い続けると、31日目と61日目に事業所へ入る報酬が下がります。
次にすることは、これらの日付を紙に書き出して、担当のケアマネジャーに見てもらうことです。次の空きから探し始めると、止まる日は毎回、次の予約の向こう側へ動いていきます。
あなたの手元には、次の予約の日ではなく、この形をいつまで続けるかを決めた日付が残ります。
介護のあんしんでは、ショートステイを繋ぐ形が何日目で止まるかを数え、その期間に何を決めるかも含めて、介護に向き合うあなたに信頼できる情報を提供しています。