要介護認定の結果待ち、サービスは使っていい? 結論と「うちの場合」の判断まで

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シニアのあんしん相談室


※1999年創業の会社が運営する「シニアのあんしん相談室」よりサービス提供を受けております。

 

「結果が出るまで1か月ほどかかります」

窓口でこう言われて、その1か月をただ待つのかと不安になっていませんか。

申請したあとに調べ始めても、遅くはありません。むしろ早いほうです。

認定結果が出る前でも、介護サービスは使えます。

ただし、「使える」ことと「今すぐ使うべき」ことは、まったく別の話です。

【結論】申請した日から使えます

介護保険には、認定の効力が「申請した日」までさかのぼるというルールがあります。

結果が出たとき、「申請日から認定されていたことにする」扱いになる。だから、結果を待たずに始められるのです。

このとき使うのが、「暫定ケアプラン」という仮の計画です。

「おそらくこのくらいの介護度になるだろう」という見込みをもとに、ケアマネジャーが先回りして立ててくれます。

難しい書類を、ご家族が作る必要はありません。

知っ得メモ|「申請日」を1日でも早く確定させる

さかのぼれるのは、あくまで「申請日」まで。

つまり、申請が1日遅れれば、使える期間も1日減るということです。

主治医意見書は市区町村から主治医へ依頼されます。必要書類が手元にない場合の扱いは自治体で確認し、「そろうまで待つ」のではなく、まず申請窓口へ相談してください。

しかも、本人や家族が窓口に行けなくても、地域包括支援センターやケアマネジャーが申請を代行できます。入院中でも申請できます。

「書類が揃ってから」と待たない。まず申請日を確定させる。これが鉄則です。

出典:厚生労働省「要介護認定等の申請後における介護サービスの利用について」

「使える」と「使うべき」は別

制度上使えることと、あなたの家で今使うべきかは、別問題です。

よくあるのは、次の3つです。

  • 病院から退院が迫っている → 迷わず暫定利用を
  • 在宅の心配が切迫していない → 待つ選択もあり
  • 介護している家族がもう限界 → 本人ではなく「あなた」の状態で判断を

急ぎの予定があるか。介護する側が持ちこたえられるか。

判断が分かれるのは、この2点です。

病院から退院が迫っている → 迷わず暫定利用を

退院日は、待ってくれません。

この場合は、暫定利用の一択です。

病院の医療ソーシャルワーカー(相談室)に、「退院後の介護サービスを、結果が出る前に使いたい」と伝えてください。

退院前にケアマネジャーを交えた打ち合わせを組んでもらえて、退院した日からサービスにつながります。

在宅の心配が切迫していない → 待つ選択もあり

転倒が心配。物忘れが増えた。

この段階なら、結果を待ってから、確定した枠内で計画を立てるほうが安全な場合もあります。

見込みより軽い認定が出たときの自己負担リスクを、そもそも負わずに済むからです。

待つ間が不安なら、市区町村の「総合事業」や、自費の見守りサービスといったつなぎもあります。

地域包括支援センターに「待つ間にできることはありますか」と聞いてみてください。

介護している家族がもう限界 → 本人ではなく「あなた」の状態で判断を

ここ、見落とされがちです。

判断基準は、本人の状態だけではありません。

介護する側が眠れていない。仕事に行けない。

それはもう、暫定利用を始める十分な理由です。

デイサービスやショートステイで、介護者が休める時間を作る。これも介護保険の大切な役割です。

【お金の話】唯一のリスクを数字で理解する

暫定利用で特に注意したいのは、費用です。

見込みより軽い認定結果が出ると、上限を超えた分が全額自己負担になる。

  • 具体的にいくら違うのか
  • 対策は「見込みの一段下」で組むこと

金額の差を先に知っておくと、ケアマネジャーと計画を組むときに、どこまで使うかを自分で判断できます。

具体的にいくら違うのか

介護保険では、介護度ごとに月の利用上限額が決まっています。

見込んだ区分より軽い認定になり、実際に使ったサービスが確定後の支給限度額を超えた場合、超過分は全額自己負担になることがあります。非該当になった場合も、介護保険給付の対象にならない可能性があります。

金額は、見込む区分、サービスの種類、利用回数、負担割合で大きく変わります。暫定ケアプランを作る時点で、軽い結果や非該当になった場合の最大負担額を、書面で確認してください。

出典:厚生労働省「サービスにかかる利用料」

対策は「見込みの一段下」で組むこと

ケアマネジャーは、このリスクを熟知しています。

そのため暫定期間中は、必要性を優先しつつ、認定結果が見込みと違った場合の負担も確認して計画を組みます。

そのうえで、最初にこう聞いておく。

「もし軽い結果が出たら、自己負担はいくらになりますか」

これを聞いておけば、軽い結果が出たときの負担額を、使い始める前に把握できます。

知っ得メモ|工事や購入の前に必ず確認する

介護保険には、月々の利用枠とは別枠の補助があります。

住宅改修(手すり設置など・上限20万円)と、福祉用具の購入(ポータブルトイレなど・年10万円)です。

ここに落とし穴があります。

結果が出る前に工事や購入をして、「非該当」だった場合は全額自腹。月々のサービスと違って金額が大きいうえに、やり直しも効きません。

住宅改修は施工前の申請が必要です。福祉用具購入も対象品目や手続きが決まっています。認定結果待ちで急ぐ場合を含め、工事や購入の前に市区町村とケアマネジャーへ確認してください。

どうしても急ぐなら、まずレンタルでしのげないかをケアマネジャーに相談してください。

最大の分かれ道は認定を実態どおりに出すこと

暫定利用のリスクは、「見込みと結果のズレ」から生まれます。

裏を返せば、こうです。

認定が実態どおりに出るよう手を打つことが、最大のリスク対策になる。

そして、家族にできることは、けっこうあります。

  • 認定調査で本人が張り切ってしまう問題
  • 結果が軽すぎたときは「不服申し立て」より速い方法がある
  • 「非該当」でも終わりではない

調査の受け方から、結果が出たあとの手だてまで、順番に見ていきます。

認定調査で本人が張り切ってしまう問題

認定調査で、普段できないことを本人が「できます」と答えてしまう。

これ、本当によくあります。そして実態より軽く判定されます。

対策はシンプルです。

調査には家族が立ち会う。そして普段の様子(夜間の失敗、火の消し忘れなど)をメモにして、調査員に渡す。

本人の前で言いにくいことこそ、紙で伝えてください。

知っ得メモ|普段の状態を具体的に伝える

認定調査の日程は、こちらの都合に合わせて調整してもらえます。

ここで知っておきたいのが、症状には時間帯の波があるということ。

たとえば認知症では、夕方に混乱が強くなる方が多い。逆に午前中は、しっかりして見えたりします。

調子のいい時間に調査を受ければ、当然、実態より軽く判定されかねません。

日程は自治体と調整できますが、特定の時間だけを見せることが目的ではありません。時間帯で状態が変わるなら、その変化をメモにして、調査員へ普段の様子を具体的に伝えてください。

知っ得メモ|主治医にも「家での様子」を伝えておく

認定を左右するのは、調査だけではありません。

主治医が書く「意見書」も、認定を同じくらい左右します。

ところが、医師が診察室で見ているのは、月に数分の「よそいきの姿」だけ。

家での夜間徘徊や失禁を知らないまま「安定しています」と書かれたら、認定は軽く出ます。

だから、意見書が書かれる前の受診に家族が付き添い、困りごとを口頭とメモで伝えておく。

これだけで、意見書の記載は変わります。

診察に行けない場合でも、メモを本人に持たせるだけで効果があります。

結果が軽すぎたときは「不服申し立て」より速い方法がある

知っ得メモ|結果に納得できないときの確認先

「結果に不服があれば審査請求(不服申し立て)できます」

こう案内されます。

ただ、この手続きは結論まで数か月かかることがあり、正直、実用的とは言いにくい。

結果に納得できない場合は、都道府県の介護保険審査会へ審査請求をする制度があります。一方、認定後に本人の状態が変わった場合は、区分変更申請を検討します。

どちらが合うかは事情によって違います。ケアマネジャー、市区町村の介護保険窓口、地域包括支援センターへ、結果の理由と今後の手続きを確認してください。

「非該当」でも終わりではない

万一「非該当(自立)」と判定されても、打つ手はあります。

市区町村の総合事業(介護保険外の支援サービス)は、非該当でも使えるものがあります。

状態が変わったら、再申請もできます。

「認定されなかったら何もできない」わけではない。

非該当のときの選択肢まで確認したうえで、暫定利用を始めるかどうかを決めてください。

【今日やること】電話1本から始まります

相談先は、地域包括支援センターです。

お住まいの地域に必ずあります。相談は無料です。

電話では、こう伝えれば十分。

「父(母)の要介護認定を申請中なのですが、結果が出る前にサービスを使いたくて。どうすればいいですか」

うまく説明できなくて構いません。状況をそのまま話せば、向こうが整理してくれます。

手元に、介護保険証(または申請の控え)と申請日のメモ、かかりつけ医の名前があるとスムーズです。

電話のあとは、センターの職員やケアマネジャーが自宅を訪問して、状態を確認。暫定ケアプランを作成して、サービス開始。

開始までの期間は、本人の状態や地域の事業所の空き状況によって変わります。退院など期限がある場合は、最初の電話で日付を伝えてください。

知っ得メモ|暫定期間の担当ケアマネは「そのまま本契約」になりやすい

暫定利用で担当してくれたケアマネジャーは、認定後もそのまま担当が続くのが通例です。

つまり、急いで決めた相手と、長い付き合いになりやすいということ。

でも、相性が合わないと感じたら、ケアマネジャーは途中で変更できます

事業所ごと変えることも、同じ事業所内で担当だけ変えることも可能です。

言い出しにくければ、地域包括支援センターに間に入ってもらえます。

「一度お願いしたら変えられない」と我慢する必要は、まったくありません。

まとめ

1.認定結果を待たなくても、申請日にさかのぼって使える

だから、申請は1日でも早く。遅れた分だけ、使える期間が減ります。

2.「使うべきか」は、状況次第。

退院間近や、介護者が限界なら暫定利用。余裕があるなら待つのも手です。

3.リスクは「軽い結果が出たときの自己負担」だけ。

見込みの一段下で控えめに使う。住宅改修や用具購入は、結果が出てから。

4.認定を実態どおりに出す。ここが最大の分かれ道。

調査は大変な時間帯に指定して、家族が立ち会い、主治医にも家での様子を伝える。

5.結果に納得できないときは、市区町村に理由と手続きを確認

審査請求と、状態が変わった場合の区分変更申請は、使う場面が異なります。

そして、迷ったら地域包括支援センターに電話1本。

わからないことだらけで当然です。ここから先は、専門家が一緒に考えてくれます。

ひとりで抱え込まないでください。