退院当日から在宅サービスを使うために退院前に決めること

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シニアのあんしん相談室


※1999年創業の会社が運営する「シニアのあんしん相談室」よりサービス提供を受けております。

 

「来週、退院です」と病院で言われたとき、まず確かめたいのは、家に帰ったその日から訪問看護や訪問介護を使えるのか、という点だと思います。

必要な計画・指示・契約・受け入れ調整が済んでいれば、退院当日から在宅サービスを利用できる場合があります。ただし、すべてのサービスが自動的に始まるわけではありません。

分かれ目になるのは、退院時刻と、帰宅直後に必要な支援です。退院前に確認しておくことと、医療から介護へ引き渡す当日の順番の決め方を、退院日が決まったら早めに押さえておきます。

退院当日から使えるかは一律に決まらない

退院当日の在宅サービスは、制度の外にある特別なことではありません。

令和6年度介護報酬改定では、新たに訪問看護計画書を作成した利用者へ、退院日に初回の指定訪問看護を行う場合の評価が設けられました。つまり、退院当日の訪問看護は制度上も想定されています。

ただし、想定されていることと、目の前のケースで実施できることは別です。実際に当日から使えるかどうかは、計画、指示、事業所の調整などによって決まります。

だから「必ず使える」とも「無理だ」とも、あらかじめ決まってはいません。決めるのは、退院時刻と、帰宅直後に必要な支援と、それを誰がいつ引き受けるかです。

知っ得メモ 制度上の想定と個別の可否は別に考える

退院日の訪問看護が制度上想定されていることは、そのまま「うちも当日から使える」という意味にはなりません。

個別に実施できるかは、訪問看護計画書があるか、主治医の指示が出ているか、事業所がその時刻に受け入れられるかで決まります。

そのため、確認する相手は制度の説明ではなく、担当する病院とケアマネジャー、そして事業所になります。

出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」

退院前に確認する五つのこと

確認する順番には、意味があります。

  • 病院を出る時刻と自宅に着く時刻
  • 帰宅直後から翌朝までに必要な支援
  • 退院支援担当者とケアマネジャーへの共有
  • サービスごとに違う開始の条件
  • 当日の初回訪問と連絡先の一覧

上から順に決めていくと、当日の動きが決まります。

病院を出る時刻と自宅に着く時刻

まず確認するのは、退院予定日そのものではありません。

病院を出る時刻と、自宅へ着く見込みの時刻です。ここが決まらないと、初回訪問の時刻も、その日に間に合う支援の範囲も決められません。

日付だけを聞いて帰らず、時刻まで確認しておいてください。

帰宅直後から翌朝までに必要な支援

次に、帰宅した直後から翌朝までに何が必要かを、種類ごとに分けます。

医療処置、服薬、移動、排泄、食事。ひとまとめに「介護が必要」と考えるより、この単位に分けたほうが、誰に頼む話なのかがはっきりします。

分けておくと、次の共有の場でそのまま使えます。

退院支援担当者とケアマネジャーへの共有

整理した内容は、病院の退院支援担当者とケアマネジャーへ共有します。

そのうえで、ケアプランをどう扱うか、各サービスの開始や再開の手続きに何が必要かを確認します。入退院の場面では、医療と介護が連携して切れ目のないサービス提供体制をつくることが目標とされています。家族が抱え込む前提の話ではありません。

分からないことは、分からないまま持っていって構いません。

出典:厚生労働省「在宅医療・介護連携推進事業の手引き」

サービスごとに違う開始の条件

開始の条件は、サービスごとに違います。

訪問看護は、主治医が必要性を認めて指示書を交付し、訪問看護ステーションがその指示に基づいて行います。退院当日に訪問看護が必要なら、指示書と受け入れ時刻を退院前に確認します。

サービス退院前に確認すること
訪問看護主治医の指示書と、事業所が当日その時刻に受け入れられるか
訪問介護などケアプランの内容と、契約や手続きが済んでいるか
福祉用具搬入の時刻

同じ「当日から」でも、確認する相手と条件が変わります。

出典:厚生労働省「訪問看護」

当日の初回訪問と連絡先の一覧

最後に、当日の初回訪問時刻、担当する事業所、連絡先を一覧にします。

あわせて、間に合わないサービスが出た場合にどうするかも、退院前に決めておきます。当日になってから探すのと、あらかじめ相談先が決まっているのとでは、家族の負担がまったく違います。

一覧は、家族の誰が見ても分かる形で一枚にまとめておきます。

医療から介護へ引き渡す当日の順番

退院当日は、医療から介護へ引き渡す日です。

だからこそ、順番があります。退院時刻を起点に、帰宅直後に必要な医療処置や服薬の確認を先に置き、そのうえで生活の支援をつなぐ。この順番を退院前に決めておくと、支援が途切れにくくなります。

順番が決まっていれば、どこかが遅れたときにも、何を先に立て直せばよいかが分かります。逆に、時刻と担当が空白のままだと、帰宅してから調整を始めることになります。

当日そのものより、当日を決める打ち合わせのほうが大事です。

聞き方に迷ったときの言葉

手続きそのものより、何と言えばいいか分からなくて止まってしまうことがあります。

そのまま使える言い方は、場面ごとに違います。

場面そのまま使える言葉
病棟の看護師に「退院後の生活に不安があるので、退院支援のご担当の方につないでいただけますか」
病院の退院支援担当者に「退院当日に必要な支援を整理したいので、病院を出る時刻と自宅に着く見込みを教えてください」
ケアマネジャーに「退院当日から使いたいサービスがあります。開始や再開の手続きで、今決めておくことを教えてください」

完璧に説明する必要はありません。必要な情報は、専門職が質問しながら整理してくれます。

まとめ

要点は六つです。

  • 退院当日の訪問看護は制度上も想定されているが、個別に使えるかは計画や指示、事業所の調整で決まる
  • 退院予定日だけでなく、病院を出る時刻と自宅に着く見込み時刻を確認する
  • 帰宅直後から翌朝までに必要な支援を、医療処置、服薬、移動、排泄、食事に分ける
  • 退院支援担当者とケアマネジャーへ共有し、ケアプランと手続きを確認する
  • サービスごとに条件が違うため、訪問看護は指示書、訪問介護等はケアプランと契約、福祉用具は搬入時刻を確認する
  • 当日の初回訪問時刻、担当事業所、連絡先、間に合わない場合の対応を一覧にする

退院当日に使えるかどうかは、一律には決まりません。決まるのは、退院時刻と必要な支援を先に確かめ、医療から介護へ引き渡す順番を退院前にどこまで決められたかです。

その打ち合わせは、入院しているうちに始められます。