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一人にしておけないと思いながら、いま現に一人でいます。認知症の親が離れて暮らしていると、この状態が何か月も続きます。
危ないと思う出来事はたびたび起きます。それでも、どこからが「もう続けられない」なのかは、いちばん近くで見ているあなたにも決められません。決め手になるものが、気持ちの中には無いからです。
この記事では、要介護認定で使う国の判定基準が例として挙げている火とお金と薬の3つについて、いま外から補えているかの確かめ方と、補うために使える制度を順に説明します。
なお、親が入居をはっきり拒んでいて家族が押し切れずにいる場合に、家族が何を根拠に決めてよいかは扱いません。
続けられるかを決めるのは、認知症の重さではありません。要介護認定の認定調査で使われている判定基準そのものが、別の見方を示しています。
要介護認定の認定調査には、「認知症高齢者の日常生活自立度」という判定基準があります。調査員が訪問したときの様子から、自立とランクⅠからⅣ、Mまでのどれかに○を付けます。
このうちランクⅡの判断基準は、次のように書かれています。
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。
読み飛ばしやすいのは、後ろの半分です。「誰かが注意していれば自立できる」。国の判定基準は、条件が付いた自立を1つの段階として数えています。
つまり、支障が見られることと、自立できないことは、この基準では同じではありません。分けているのは、誰かが注意しているかどうかです。
出典: 厚生労働省 要介護認定 認定調査員テキスト2009 改訂版
同じ判定基準には、ランクごとに「見られる症状・行動の例」が並んでいます。ここに挙がっている言葉が具体的です。
家庭外でランクⅡの状態が見られるランクⅡaの例は、「たびたび道に迷うとか、買物や事務、金銭管理などそれまでできたことにミスが目立つ等」。
家庭内でも見られるランクⅡbの例は、「服薬管理ができない、電話の応対や訪問者との対応など一人で留守番ができない等」。
介護を必要とする段階であるランクⅢaの例には、「徘徊、失禁、大声・奇声をあげる、火の不始末、不潔行為」などが並びます。
お金は家庭の外の段階、薬は家庭の中の段階、火は介護が要る段階の例に出てきます。3つとも、書き手が選んだ切り口ではありません。判定基準が例として挙げている言葉です。
ただし、これは症状・行動の例であって、この順番で必ず起きるという意味ではありません。どの例が出るかは人によって違います。
出典: 厚生労働省 要介護認定 認定調査員テキスト2009 改訂版
この3つには、共通するところがあります。失敗したときに、後から取り返せません。
物忘れが増えても、忘れた分は後から補えます。同じ話を何度されても、聞き直せば済みます。火事と、使ってしまったお金と、飲み間違えた薬は、そうはいきません。
だとすれば、一人暮らしを続けられるかは、認知症の重さではなく、この3つが外から補えているかで決まります。補えていれば、支障があっても暮らしは続きます。補う人も仕組みもないまま「本人が気を付ける」に任せていれば、程度が軽くても危険です。
このうち2つは、要介護認定の認定調査の項目としても並んでいます。第5群「社会生活への適応」の中にある「5-1 薬の内服」と「5-2 金銭の管理」です。
どちらも評価軸は「介助の方法」で、選択肢は「1.介助されていない」「2.一部介助」「3.全介助」の3つです。本人にできるかどうかではなく、どのくらい手が入っているかを記録する形になっています。
出典: 厚生労働省 要介護認定 認定調査員テキスト2009 改訂版
認知症の施策の基本を定めた法律にも、これと重なる定めがあります。認知症基本法の第3条第3号は、基本理念として、認知症の人が「社会の対等な構成員として、地域において安全にかつ安心して自立した日常生活を営むことができるようにする」ことを挙げています。安全と安心を確保したうえで地域で暮らせるようにする、という組み立てです。
出典: e-Gov法令検索 共生社会の実現を推進するための認知症基本法
ここから先は、火とお金と薬を1つずつ見ていきます。
3つのうち、失敗したときの結果がいちばん重いのが火です。統計は認知症の人に限ったものではありませんが、年齢の偏りははっきり出ています。
消防庁の集計では、令和6年中の住宅火災による死者は1,030人でした。放火自殺者などを除いた数です。このうち65歳以上は779人で、75.6%を占めています。
年齢が上がるほど差は広がります。人口10万人あたりの死者数で見ると、81歳以上の層は全年齢の平均の4.0倍です。
亡くなった経過も分かっています。こちらは住宅火災に限らない、火災全体の数字です。放火自殺者などを除く死者のうち42.2%が逃げ遅れで、その中でも「発見が遅れ、気付いた時は火煙が回り、既に逃げ道がなかったと思われるもの」が全体の15.8%を占めます。まったく気付かなかった場合を含む区分です。
この統計は認知症の人にも一人暮らしの人にも限っていません。認知症だから火事になる、とは読めない数字です。分かるのは、火が出たときに気付くのが遅れると、高齢になるほど逃げ切れていないということです。
出典: 総務省消防庁 令和7年版消防白書 火災による死者の状況
同じ令和6年中の住宅火災を発火源別に見ると、放火を除く11,173件のうち、電気器具類が2,459件、こんろが1,745件、たばこが1,242件、ストーブが812件です。こんろは2番目に多い発火源です。
こんろについては、先に法令が変わっています。経済産業省は家庭用ガスこんろをガス事業法と液化石油ガス法の規制対象品目に指定し、全口のこんろバーナーに調理油過熱防止装置と立ち消え安全装置を搭載することを義務づけました。施行日は2008年(平成20年)10月1日です。
そのため、施行より後に作られた家庭用のガスこんろには、この2つが付いています。揚げ物の油を火にかけたまま忘れても、油の温度が上がりすぎた時点で火が止まります。煮こぼれて火が消えたときに、ガスだけが出続けることもありません。
裏を返せば、それより前のこんろを使い続けている家では、この2つが付いていない可能性があります。施行の前に作られた在庫には1年の販売猶予があったので、境目は買った時期ではなく作られた時期で見ます。実家の台所のこんろがいつ作られたものか分からなければ、製造元や販売店へ問い合わせて確かめます。
なお、義務づけられたのはこの2つの装置です。消し忘れを一定時間で自動的に消す機能は、この資料では義務の対象として挙げられていません。
住宅用火災警報器は、法律上の義務です。消防法第9条の2は、住宅の関係者は「住宅用防災機器を設置し、及び維持しなければならない」と定めています。設置と維持の基準は、政令の基準に従って市町村の条例が決めます。
政令が定める設置場所には、「就寝の用に供する居室」が入っています。寝室です。火災全体で逃げ遅れが死者の4割を占め、そこに気付かなかった場合が含まれることを考えると、寝ている場所で鳴るかどうかが分かれ目になります。
ただし、付いていることと、鳴ることは別です。消防庁が令和7年6月1日時点で全国の住宅を対象に行った標本調査では、設置率は84.9%、市町村の条例どおりに付いている条例適合率は65.8%でした。さらに、作動確認をした世帯のうち約3.5%で電池切れや故障が見つかり、設置されている警報器のうち約32.2%は設置から10年を経過していました。
帰省したときに確かめられるのは、2つです。寝室に付いているか。そして、本体のボタンを押して音が鳴るか。10年を過ぎているものは、電池ではなく本体の交換が勧められています。
出典: e-Gov法令検索 消防法
出典: 総務省消防庁 住宅用火災警報器の設置状況等調査結果(令和7年6月1日時点)について
お金は、判定基準が家庭外の段階の例に挙げているものです。3つのうち、いちばん早く家の外に形が出ます。いま外から補えているかは、通帳を誰が持っていて、毎月の支払いを誰がしているかで見ます。
家庭裁判所に成年後見の申立てをするとき、何を理由にしているのかが集計されています。
令和7年の1年間に全国の家庭裁判所へ申し立てられた成年後見関係事件は43,159件でした。後見等が始まる原因を分類した集計では、認知症が61.3%と最も多くなっています。
主な申立ての動機で最も多いのは「預貯金等の管理・解約」で、終局した42,674件を母数として39,871件、93.4%です。同じ母数で、次いで身上保護が74.2%、介護保険契約が45.7%と続きます。
1件について動機が複数数えられているため、これらを足しても100%にはなりません。それでも、後見を使うことになった家のほとんどで、預貯金の管理が理由に挙がっていることは読み取れます。お金は、実際にいちばん多く外に出ている問題です。
出典: 最高裁判所事務総局家庭局 成年後見関係事件の概況(令和7年1月~12月)
お金を外から補う仕組みは、成年後見だけではありません。日常生活自立支援事業があります。
根拠は社会福祉法第2条第3項第12号の「福祉サービス利用援助事業」で、第二種社会福祉事業に位置づけられています。実施主体は都道府県または指定都市の社会福祉協議会で、一部を市区町村の社会福祉協議会などに委託できます。専門員が支援計画を作り、生活支援員が定期的に訪問して、福祉サービスの利用手続きや日常的なお金の管理を手伝う形です。
令和6年度末の実利用者は56,681人で、そのうち認知症高齢者等は20,444人、36.1%でした。
ここに1つ、時期に関わる条件があります。この事業の対象は「判断能力が不十分な者であり、かつ本事業の契約の内容について判断し得る能力を有していると認められる者」とされています。本人と社会福祉協議会が契約を結んで始まる仕組みなので、契約の内容を判断できる力が残っている必要があります。
判断できなくなってから申し込む、という順番では使えません。先に成年後見の話が出てくることになります。
出典: e-Gov法令検索 社会福祉法
出典: 厚生労働省 身寄りのない高齢者等への対応、成年後見制度の見直しへの対応について
成年後見制度は1つではありません。民法が、判断能力の程度で3つに分けています。
後見は、精神上の障害により事理を弁識する能力を「欠く常況にある者」が対象です(第7条)。保佐は同じ能力が「著しく不十分である者」(第11条)、補助は「不十分である者」(第15条)が対象になります。
3つは、本人がした契約をどこまで取り消せるかも違います。成年被後見人がした法律行為は取り消すことができますが、日用品の購入その他日常生活に関する行為は除かれます(第9条)。被保佐人は、借金や不動産の売買など法律が列挙した行為について保佐人の同意が要り、同意を得ずにした行為は取り消せます(第13条)。補助では、家庭裁判所が特定の行為を指定して同意権を付けます(第17条)。
本人の意思が関わるところもあります。本人以外の人の請求で補助を開始するには、本人の同意が要ります(第15条第2項)。
もう1つ、あらかじめ結んでおく形として任意後見があります。任意後見契約に関する法律は、任意後見契約を、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じると定めた契約としています。その選任は、本人の事理を弁識する能力が不十分な状況になったときに行われます。契約は前もって結び、効力は後から始まる形です。
ただし令和7年の任意後見監督人選任の申立ては881件で、後見開始の29,233件とは桁が違います。前もって決めておく形は、実際にはほとんど使われていません。
出典: e-Gov法令検索 民法
出典: 最高裁判所事務総局家庭局 成年後見関係事件の概況(令和7年1月~12月)
お金の失敗は、訪問販売や電話勧誘の形でも起きます。ここに、一人暮らしに直接関わる数字があります。
消費者庁の集計では、契約当事者が65歳以上の「判断不十分者契約」に関する消費生活相談は、2024年に9,618件でした。このうち、契約した本人と相談した人が異なるものが76.1%、同じものが23.8%です。
白書によれば、本人から相談が寄せられる割合は、高齢者全体では約8割です。認知症等の高齢者では、それが約2割にとどまります。
消費者白書は、その理由をこう書いています。
認知症等の高齢者本人はトラブルに遭っているという認識が低いため、問題が顕在化しにくい傾向があり、特に周囲の見守りが必要です。
ここが、火や薬と違うところです。火は煙が出ます。薬は残ります。お金の失敗は、周りに見ている人がいなければ、相談そのものが起きません。
見守りの仕組みとしては、消費者安全法第11条の3が消費者安全確保地域協議会を定めています。ただし条文は「組織することができる」で、置くかどうかは地域に任されています。実家の市町村にあるかどうかは、確かめる必要があります。
出典: 消費者庁 令和7年版消費者白書
出典: e-Gov法令検索 消費者安全法
薬は、判定基準が家庭内の段階の例に挙げているものです。外からは見えにくく、失敗しても本人が気付きません。
厚生労働省が2018年に出した「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」に、服薬アドヒアランス低下の要因を並べた表があります。決められたとおりに薬を飲めなくなる理由の一覧です。
そこには「服用管理能力低下」の1番目として「認知機能の低下」が挙がっています。同じ表の別の項目として「独居」も挙がっています。
認知症で、一人で暮らしている。あなたの親に当てはまるこの2つは、指針が別々の要因として名指ししているものです。それが1人の人に重なっています。
薬の数も関わります。同じ指針は、全国の保険薬局の処方調査から、75歳以上の約4分の1が7種類以上、4割が5種類以上の薬を処方されていると書いています。
この指針の利用対象は医師、歯科医師、薬剤師とされていて、家族向けに書かれたものではありません。家族が読み取れるのは、専門職が薬の管理を考えるときに、認知機能の低下と独居の両方を要注意として扱っているということです。
同じ指針は、認知機能が下がったときにどうするかも書いています。
認知機能の低下による飲み忘れの場合、家族や看護師、介護職員などが1日分ずつ渡すなどの介助が必要である。
1日分ずつ渡す。つまり、誰かが毎日その家に届く必要があるということです。週に1回まとめて仕分けても、飲む時点で人がいなければ同じにはなりません。
ここで気を付けたいことが1つあります。同じ指針は「一包化を行うことが必ずしも服薬アドヒアランスを向上させる方法ではないことに注意する」とも書いています。1回分の薬を1袋にまとめる一包化は、袋を開けやすくはしますが、飲んだかどうかを見る人の代わりにはなりません。
本人に聞いて確かめる方法については、指針が難しいと書いています。
認知機能の低下は患者本人との会話から気づくのは難しいため、家族や薬剤師、看護師、介護職員などから生活状況や残薬、服薬状況を確認することが望ましい。
飲めているかを本人の返事で判断しない、ということです。見るのは残った薬と、暮らしの様子です。
実際に飲めていないことは、後から薬の形で分かります。2015年に行われた調査では、訪問看護ステーションの利用者のうち12.9%で、訪問を始めてから残薬が見つかっていました。1事業所あたりの平均で見た値で、全国の高齢者に当てはまる割合ではありません。それでも、訪問して初めて残薬が分かる、という順番は読み取れます。
出典: 厚生労働省 地域包括ケアシステムにおける薬局・薬剤師による薬学的管理の向上及び効率化のための調査研究事業報告書
薬のために家へ来てもらう仕組みは、介護保険にあります。居宅療養管理指導です。
介護保険法第8条第6項は、居宅療養管理指導を、病院や診療所、薬局の医師、歯科医師、薬剤師などが行う療養上の管理と指導と定めています。薬局の薬剤師が入っています。
運営基準は、通院が難しい利用者の家を訪問して、心身の状況や生活の環境まで把握したうえで指導を行い、療養生活の質の向上を図るものでなければならないとしています。薬剤師が行うときは、医師または歯科医師の指示に基づいて行い、薬局の薬剤師の場合は、その指示に基づいて薬剤師が作った薬学的管理指導計画に沿って行います。提供した内容は記録して、医師または歯科医師に報告することになっています。
家の中を見た薬剤師が指導を行い、その内容を主治医へ報告します。飲めているかどうかを外から補うとは、この流れを作ることです。
使えるかどうかは、担当のケアマネジャーに聞けます。ケアプランに入れる話になります。
出典: e-Gov法令検索 介護保険法
出典: e-Gov法令検索 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準
3つを補っても、本人の状態は変わっていきます。補いきれなくなってきたことは、次の3つの形で表に出ます。
警察庁の集計では、令和7年に警察へ出された行方不明者届のうち、原因や動機が認知症またはその疑いによるものは17,345人でした。前年より776人減っていますが、高い水準が続いています。
この数は届出の延べ人数で、実人数ではありません。一人暮らしの人に限った数でもありません。
それでも、これは火とお金と薬の3つの外側にある合図です。家の中で補う話ではなくなり、外へ出て帰れなくなっています。届出が出た時点で、家の中の工夫では足りていません。
2つ目の合図は、判定基準そのものの中にあります。
ランクⅢの判断基準は、「日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とする」です。ランクⅡとの違いは、「誰かが注意していれば自立できる」がなくなっているところです。
注意して見ていれば済む段階から、介護そのものが要る段階へ移ったという判定になります。この判定は要介護認定の認定調査で付けられるので、更新のときに、いまどのランクなのかを聞けます。
出典: 厚生労働省 要介護認定 認定調査員テキスト2009 改訂版
3つ目は、統計ではなく状態の話です。
火もお金も薬も、家族だけで見ている。制度が1つも入っていない。この状態は、補えているように見えて、補っている人が倒れた日にまとめて止まります。その日に誰へ連絡し、親をどこへ預けるかは、別の記事にまとめています。
消費者白書が「特に周囲の見守りが必要です」と書いているのは、本人と家族の外に見る人を置く、という意味です。3つのうち1つでも制度が入っていれば、その事業所の人が家の中を見ます。見た人が増えるほど、変わったときに気付く人も増えます。
火もお金も薬も、入口は同じところから始められます。
介護保険法第115条の46は、地域包括支援センターを、包括的支援事業などを実施し、地域住民の心身の健康の保持および生活の安定のために必要な援助を行うことにより、保健医療の向上と福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設と定めています。
認知症については、もう少し具体的な定めがあります。市町村が行う地域支援事業を並べた第115条の45第2項第6号は、「保健医療及び福祉に関する専門的知識を有する者による認知症の早期における症状の悪化の防止のための支援その他の認知症である又はその疑いのある被保険者に対する総合的な支援を行う事業」を挙げています。
認知症またはその疑いがある段階で相談してよいことが、条文に書かれています。診断が付いてからでなくてかまいません。
出典: e-Gov法令検索 介護保険法
介護保険のサービスは、事業者との契約で使います。契約が難しいときに止まってしまわないよう、老人福祉法に別の道が用意されています。
第10条の4第1項第1号は、65歳以上で身体上または精神上の障害のため日常生活に支障がある人が、「やむを得ない事由により」訪問介護などを利用することが著しく困難であると市町村が認めるときに、市町村が居宅で便宜を供与するなどの措置を採れると定めています。
第11条第1項第2号には、常時の介護を必要とし、居宅で受けることが困難な人について、やむを得ない事由により介護老人福祉施設に入所することが著しく困難であると認めるときに、市町村が特別養護老人ホームへの入所措置を採る定めがあります。
条文が要件にしているのは「やむを得ない事由」があることで、認知症であることや一人暮らしであることではありません。当てはまるかどうかは市町村が個別に判断します。契約の形では進まなくなったときに、この道があることを知っていれば、窓口で聞けます。本人が住まいを移ることを拒んでいるときに家族が決めてよいかを何で分けるかは、別の記事にまとめています。
出典: e-Gov法令検索 老人福祉法
認知症の親の一人暮らしを続けられるかは、認知症の重さでは決まりません。取り返しのつかない失敗が起きうる火とお金と薬の3つが、外から補えているかで決まります。
3つは、要介護認定の判定基準が例として挙げている言葉です。お金は家庭の外の段階、薬は家庭の中の段階、火は介護が要る段階の例に出てきます。
次にすることは、まず1つです。次に実家へ行ったとき、寝室に火災警報器が付いているかを見て、本体のボタンを押してください。鳴らなければ、電池か本体の交換から始められます。
この1つが済んだら、こんろの製造年、通帳を誰が持っているか、薬が残っていないかの順に見ていけます。3つのうち1つでも制度が入れば、家の中を見る人が家族以外に増えます。
介護のあんしんでは、認知症の親の一人暮らしをどこまで続けられるかの判断も含めて、介護に向き合うあなたに信頼できる情報を提供しています。