※1999年創業の会社が運営する「シニアのあんしん相談室」よりサービス提供を受けております。
介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームの一種で、行政から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた介護施設です。
この指定により、特定の条件を満たした介護サービスを提供することが義務付けられており、入居者は介護保険を利用しながら質の高い介護を受けられる仕組みになっています。
他の有料老人ホームや介護施設に比べて、介護体制が充実していることが特徴です。
「対象者」「費用面」「各種ニーズへの対応」「施設数・待機状況」「入所手続き」の5つの観点を元に、「介護付き有料老人ホームの特徴の早見表」を作成しました。
施設名 | 自立 | 要支援1〜2 | 要介護1〜2 | 要介護3〜5 | 年齢制限 | 要介護認定 |
---|---|---|---|---|---|---|
介護付き有料老人ホーム | △ | △ | 〇 | ◎ | 60歳以上 | 必要 |
↑横にスクロールできます
施設名 | 運営形態 | 初期費用 | 月額費用の目安 | 公的補助の有無 |
---|---|---|---|---|
介護付き有料老人ホーム | 民営 | 0〜1,500万円 | 15〜35万円 | △ |
↑横にスクロールできます
施設名 | 認知症(軽) | 認知症(重) | 医療処置(軽) | 医療処置(重) | リハビリ必要 | 看取り | 短期入所 | 在宅支援 | 介護負担の軽減 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
介護付き有料老人ホーム | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | ◎ | × | × | ◎ |
↑横にスクロールできます
施設名 | 施設同士の差 | 入居難易度 | 地域的偏在 | 比較検討の必要性 |
---|---|---|---|---|
介護付き有料老人ホーム | 大きい | 中 | 都市部に多い | 推奨 |
↑横にスクロールできます
施設名 | 相談・見学 | 入居申請書 | 医師の診断書 | 入居審査 |
---|---|---|---|---|
介護付き有料老人ホーム | 任意 | 必要 | 条件付き | 簡易 |
↑横にスクロールできます
介護付き有料老人ホームで提供される主なサービスは以下の通りです。
栄養士が監修したバランスの取れた食事を提供します。嚥下障害のある方には食形態を調整し、食事介助も行います。他の施設でも食事提供は一般的ですが、介護付き有料老人ホームでは個々の栄養状態に応じた細やかな対応が特徴です。
週に2〜3回の入浴介助が標準で提供されます。また、排泄に関しても昼夜を問わず、トイレへの付き添いやおむつ交換など個別に対応します。
提携医療機関との連携により、定期的な健康チェックや緊急時の対応が可能です。他の施設に比べて、看護師が常駐している場合が多く、日々の健康状態の管理が行き届いています。
身体機能を維持するためのリハビリ体操、頭の体操としてのパズルや手芸、季節ごとのイベントなど多岐にわたります。これにより、社会的な交流を維持し、認知機能の低下を防ぐことが期待されます。
介護付き有料老人ホームの特徴から分かるメリットとデメリットとまとめると、以下のとおりになります。
急な体調変化にも、夜間でもスタッフが対応できる体制があります。具体的には、夜間のトイレ介助、深夜の体位変換、急な体調変化に即時対応できる体制が整っています。これは他の施設と比較しても大きな強みです。
この指定を受けているため、介護保険を利用しながら施設のサービスを受けることができるため、ある程度の経済的なメリットもあります。
食事や入浴、排泄など、日常生活全般においてプロの介護スタッフが介助することで、入居者の生活の質を維持します。
月額20万〜50万円と高額で、家計に大きな負担を感じることがあります。特に、介護保険だけでは賄えない部分も多く、自己負担額が大きくなるケースが一般的です。
入居者によっては、これまで住んでいた自宅を離れることに心理的な負担を感じることがあります。新しい生活環境に適応するまでに数週間から数ヶ月かかることもあります。
介護付き有料老人ホームの費用について、個別施設によるものの目安となる具体的な金額をお伝えします。
費用は一般的に月額20万円から50万円程度です。この費用には居住費、食費、介護サービスが含まれます。施設によっては初期費用として数百万円の一時金が必要な場合もあります。
また、特別な医療対応(たとえば週に数回のリハビリや特別な医療器具の利用など)が必要な場合、追加料金が発生することがあります。
月額20万〜50万円という金額は高額ですが、24時間の介護体制、栄養バランスを考えた食事、医療連携などのサービスが含まれていることを考慮すると、自宅で同様のケアを受けるより効率的です。
自宅介護では訪問看護や介護サービスの回数を増やすと、それに応じて費用も膨らむため、トータルで考えると介護付き有料老人ホームの方が安心とコストのバランスが良い場合があります。
介護付き有料老人ホームが適しているかどうかを判断するために、以下のフローチャートを参考にしてみてください。フローチャートの下に詳しい解説もあります。
介護付き有料老人ホームの代表的な特徴を、よく比較される他の施設とくらべて理解を深めていきましょう。もっと詳しく他の施設との比較情報を知りたい人はこの章で理解を深めましょう
介護付き有料老人ホームでは、介護スタッフが24時間常駐しているのが大きな特徴です。
特養でも24時間体制での介護は行っていますが、入居待ちが非常に多く、入所までに時間がかかるケースが一般的です。また、特養は公的支援があるため費用は抑えられますが、重度の介護を必要とする方が主な対象となります。
住宅型有料老人ホームには介護スタッフが常駐していない場合が多く、必要な介護は外部の訪問介護サービスを利用します。このため、夜間の対応に不安がある場合には不向きです。
グループホームでは少人数の認知症高齢者を対象にした共同生活を行いますが、24時間体制の介護が提供されるものの、介護付き有料老人ホームほど手厚くはないことが多いです。
介護付き有料老人ホームは、認知症の初期から中等度の方を主な対象としています。認知症の進行に応じた柔軟なケアを提供することを目的とし、徘徊や夜間の覚醒などへの対応をしっかりと行うためです。
また、特定施設入居者生活介護の指定を受けていることで、専門的なケアと日常の生活支援を一貫して提供できる点が特徴です。
特別養護老人ホームは、認知症の重度化が進んだ方も受け入れていますが、個別施設によるのであまり差はないと考えて良いでしょう。
認知症の方は入居を断られるケースもあります。住宅型は介護サービスを外部に依存することが多いため、認知症ケアに対して柔軟な対応が難しいことがあります。
認知症の方に特化した施設であり、少人数の生活の中で家庭的な雰囲気を提供しますが、定員が限られており、夜間の対応に限界がある場合もあります。
介護付き有料老人ホームは医療機関との連携が強固で、健康管理や医療的な処置が必要な場合でも迅速に対応できる体制が整っています。看護師が常駐している施設も多く、日々の健康チェックや急な医療対応が可能です。
特養も医療ケアの提供は行っていますが、個別施設によるのであまり差はないと考えて良いでしょう。
医療連携は基本的に外部の訪問診療を利用することが多く、緊急時の対応力に差が出ることがあります。外部への訪問資料の分、対応への柔軟さが相対的に低いとも考えられます。
介護付き有料老人ホームは、家族の介護負担を減らし、安心して暮らせる環境を提供します。特に、24時間のサポートや医療連携が必要な場合に適しています。
また、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていることで、介護保険を利用しながらサービスを受けることができる点も大きな特徴です。
ただし、費用が高いため、まずは見学を通じてサービス内容や費用を確認し、家族全員で納得した上で決断することが重要です。また、公的補助の活用や複数施設の比較を通じて、最適な選択をすることが求められます。
次のステップ